ウイングアーク1stは3月26日、データ可視化ツールの新版「MotionBoard Ver.5.5」を5月13日から発売すると発表した。税別価格は5ユーザーで100万円から。

ウイングアーク1st 代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO)内野弘幸氏
MotionBoardは、さまざまなチャート表現により、企業システム内に蓄積されたデータを可視化するツール。新版では、1000を超える機能強化、改善で利便性を向上しているという。標準搭載している地図の活用や、帳票レポート作成による分析結果の報告や共有、クラウドとオンプレミスの効率的な連携が可能になった。
会見でウイングアーク1st代表取締役社長で最高経営責任者(CEO)の内野弘幸氏は「経営者がデータを重視し、さらに売上向上に利用してもらえる例が増えてきた。Ver5.5では、1000を超える機能改善を加え、メジャーバージョンアップといえる」と強調した。
新版では、地図や分析、集計、情報連携を進化させたという。
地図に関する分析の際、住所を番地単位で可視化する際には、住所を緯度経度へ変換する必要があるが、この処理(GEOコーディング)がリアルタイムで実施できるようになったと説明する。
10万件のデータを0.3秒で処理できるため、事前にデータ加工をすることなく、手持ちの住所情報を画面上で指定するだけで、即時に丁目番地レベルでの可視化が可能となるとした。
また、地図機能では、時間の経過に伴う変化の表現、地図上の範囲選択によるエリア内の会員数や性別年齢などの会員情報の絞り込み、モバイルで撮影した写真の地図上への自動表示などに対応した。
分析機能では、MotionBoardが備えるという分散冗長化インメモリ集計エンジンの高速性を生かし、ともに購入される頻度の高い商品の組み合わせが分かる「バスケット分析」や、 商品を購入した顧客が再び同一商品の購買に至るかどうかを分析する「トライアル・リピート分析」など複数の機能を追加した。分散冗長化インメモリ集計エンジンは既存のVer.5.0と比較しても1.4~2倍に高速化しているという。
さらにMotionBoardの画面上にレイアウト設計する機能を追加し、同社の持つ帳票基盤ソフトウェア「SVF」の機能を利用した帳票出力ができるようになった。
クラウドと社内データを連携するのに便利な機能も備えた。「MotionBoard Bridge Service」と「File Connector」は、異なるネットワークをつなぐのに有利な機能という。
MotionBoard Bridge Serviceは、データをクラウドに上げることなく、社内の各種データベースの情報を活用できる機能であり、データは多重のセキュリティによって保護し、集計に関するトレーサビリティログも提供するとした。
File Connectorは、クライアントPCやファイルサーバ、FTPサーバ、社外のクラウ ドストレージにあるCSVファイルやExcelファイルを直接集計できる。対応するクラウ ドストレージは、Amazon S3、Box Business/Enterprise、DropBox for Business、 Google Drive for Work、OneDrive for Businessとなっている。

Motionboradはビジネスインテリジェンス(BI)エンジン「Dr.Sum」とともに、2014年2月~2015年2月に450社の導入実績があるとし、「BIを現場で利用できるものにする」というコンセプトが広まっていることを示した。特に、マーケティング領域での引き合いが増えているといい、MotionBoardの地図機能強化はこのニーズをとらえたものという。
中国市場でのBIビジネスも2014年度は前年度比45%増。2015年度の売上目標は前年度比25%増を目指すとアピールした。