見えてきた、インテルの次世代Xeon Phi「Knights Landing」の姿 - (page 2)

John Morris (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2015年04月02日 06時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 NVIDIAは3月の年次カンファレンスGPU Technology Conferenceで、「Titan X」と「Quadro M6000」を発表した。いずれも、単精度浮動小数点演算で最大7テラフロップスのパフォーマンスを実現する「Maxwell」GPUを採用している。しかし、Maxwellは倍精度演算向けに設計されてはいない。それらの用途では、従来の「Kepler」GPUを2つ使用する「Tesla K80」が倍精度で最大2.9テラフロップスを実現する。一方、AMDの最も高速な「FirePro」サーバGPUは、倍精度浮動小数点演算で最大2.1テラフロップスのパフォーマンスを実現する。

 これらのGPUと異なり、Knights LandingはホストCPUとして、単体で使用することが可能だ。メインストリームの「Xeon v3 Haswell」サーバチップとバイナリ互換性があるほか、同じ命令をサポートし(トランザクショナルメモリは除く)、Linuxや「Windows Server」を動かすことができる。Knights Landingは、PCI Express版アクセラレータカード版と「InfiniBand」向けホストプロセッサ版、Intelの新しい「Omni-Path」ファブリックを備えるホストプロセッサ版の3種類のバージョンが提供される。

 Intelは2015年3月のOpen Compute Summitで、Knights LandingホストCPU用ソケットと6つのDDR4メモリチャネル、36のPCI Express 3.0レーンを備える1Uハーフワイド型サーバボード(開発コード名「Adams Pass」)を披露した。こうしたKnights Landingサーバは、Xeon Phiの潜在市場を拡大するかもしれない。特に、Intelは機械学習やデータアナリティクス、特定の仮想化されたワークロードといった用途に言及した。

 現行のXeon Phiは世界で最も高速なコンピュータのいくつかに既に搭載されている。世界で最も高速なコンピュータをランク付けした最新の「Top500」リストには、Knights Cornerを使用する25のシステムが含まれる(それ以外のほとんどのシステムは、NVIDIAの「Tesla」GPUを使用する。AMDのGPUを使用するシステムは3つ)。

 Knights Landingは2015年後半に提供される予定だ。複数のスーパーコンピューティングセンターは既に同チップを採用する計画を発表している。米国立エネルギー研究科学計算センター(National Energy Research Scientific Computing Center:NERSC)は9300個のKnights LandingホストCPUを使用する「Cori」という新システムを構築する計画で、CoriはNERSCのバークレーの施設で2016年に稼働する予定だ。米国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration:NNSA)は「Trinity」と呼ばれる新しいスーパーコンピュータで、Xeon「Haswell」サーバチップとKnights Landingコプロセッサの両方を使用する予定である。NNSAによると、Trinityはロスアラモスにある現行スーパーコンピュータの少なくとも8倍のパフォーマンスを実現するという。Intelによると、約50の企業がKnights LandingをホストCPUとして使用するサーバシステムを提供する予定で、そのほかの多くの企業は同チップをコプロセッサとして使用できるオプションを含むサーバを提供する予定だという。

 かつては主に政府や学会の領域だったテクノロジを採用することで、競争を優位に進めようとする企業の増加に伴い、ハイパフォーマンスコンピューティングは拡大している。クラウド企業もサービスとしてのハイパフォーマンスコンピューティングの提供を開始している。しかし、この最先端テクノロジが興味深い理由はほかにもある。そのテクノロジはやがて下流のエンタープライズデータセンターに少しずつ広がり、最終的に消費者のPCにも到達する。Omni-Pathファブリックは14ナノメートルのXeonサーバチップで利用可能になる、とIntelは既に述べている。そのテクノロジが進化するにつれて、3D積層メモリがより広範に使用されるようになることは、ほぼ間違いない。この意味において、Knights Landingからはコンピューティングの未来が垣間見えると言えるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SpecialPR

連載

CIO
教育IT“本格始動”
月刊 Windows 10移行の心・技・体
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
セキュリティインシデント対応の現場
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft Inspire
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]