豊橋技術科学大学は、長岡技術科学大学、国立高等専門学校機構と連携して推進する文部科学省の国立大学改革強化推進事業「三機関が連携・協働した教育改革」の一環として、3機関に所属する国内外の学生と研究者向けに、教育研究用クラウド基盤を導入し、3月24日から共同利用を開始した。
システム構築や運用に協力した日立製作所が4月6日に発表した。
「広域連携教育研究用情報システム」の概念図
豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校機構の3機関は「三機関が連携・協働した教育改革」として、豊橋技術科学大学と長岡技術科学大学と国立高等専門学校機構が全国に設置している51の高等専門学校、さらには海外の関連拠点をネットワークで結んでいる。
世界を実習工場ととらえ、グローバルな視点からイノベーションを生みだす融合キャンパスの構築を推進し、技術科学大学と高等専門学校の整合した連続性を持つ教育プログラムを共同開発している。
今回利用を開始した「広域連携教育研究用情報システム」は、こうした取り組みの一環で、最先端の情報処理技術を備えた教育研究環境を効率的に学生や研究者に提供する。
システム構築を日立が支援し、スーパーコンピュータやクラウドの技術を活用した。
具体的には、日立のサーバ「HA8000-tc/HT210」を中核とし、Hadoopや仮想サーバ環境などをオンデマンドで提供するためのクラウド基盤を構築する「日立クラウド基盤導入ソリューション Powered by Apache CloudStack」を適用した。
同システムでは、大規模シミュレーションを実行するためのクラスタ環境、ビッグデータの高速な分析を可能とするHadoop環境などを、共通認証基盤を利用してオンデマンドで提供。これにより、3機関における最先端の情報処理技術を駆使した教育と研究を支援し、融合キャンパスの実現に寄与する。
また、システムを構成する一部のサーバには、アクセラレータとしてインテルの「Xeon Phi コプロセッサ5110P」を計36コア搭載、システム全体で約95.2TFLOPSの総合理論演算性能を有している。
さらに、教室や研究室に分散して設置されていた多数の物理サーバを集約するための仮想サーバ環境も備え、柔軟で効率的なシステム運用を実現する。