Rackspaceの国際ビジネス部門のマネージングディレクターであるJeff Cotten氏も、セキュリティ関連のプラクティスという点で、ベンダーはさらなる透明性を実現するべきだという意見に同意している。また同氏は、より具体的なセキュリティ標準が必要であるとも考えている。
同氏は豪ZDNetに対して「われわれが抱えている難問の1つは、B2CであるかB2Bであるかに関係なく、互いにやり取りするためのインターフェース標準が実質的に定義されていないというものだ」と語った。
Cotten氏は、クレジットカードデータを取り扱う企業がPCIデータセキュリティスタンダード(PCI DSS)に準拠している必要があるのと同様に、個人を特定できる情報(PII)やその他の重要なデータに対する検証や認証のプロセスが必要だと考えている。
同氏は「企業が使用するAPIに関するより明確な戦略を用意しておけば(中略)APIによるやり取りの際に必要となる適切なセキュリティメカニズムの作成方法が洗い出しやすくなる。一方、現在に目を向けると、APIは多少オープンになっているとはいえ、各企業が自らを守ることを前提にして作られている」と述べている。
「ソニーや他社の情報流出事件を見た場合、われわれは皆、適切なセキュリティメカニズムを実現するために、彼らと彼らの持つプラクティス(それがどのようなものであれ)を信頼してきたことが分かる」(Cotten氏)
Rackspaceは顧客に対して、所持しているすべてのPIIを暗号化するよう求めているが、顧客によっては説得が必要となる場合もあるようだ。
Cotten氏は「顧客との議論のなかで、顧客がデータを暗号化する気があるかどうかという話になるのはわたしにとって驚きだ。現代社会では皆ができることすべてを行い、データを暗号化するのが当然だろう」と述べている。
「われわれが気付いたのは、これは以前からあった問題であり、ようやく表面化してきたということだ」(Cotten氏)
Ross Dawson氏に言わせると、変化は避けられないという。
同氏は「行動を起こさない場合のリスクは計り知れない」と述べるとともに「もしも『なるほど、あまりにも面倒だ。われわれは情報を一切提供しない』などと口にすれば、もはや取り残されてしまうしかない」と述べた。
(注:著者はMedia Connectからの招待を受けてTech Leaders Forumに参加した。また過去には、サンフランシスコとサンノゼで開催されたNetSuiteのSuiteWorldカンファレンスに同社のゲストとして参加している)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。