POSレジやラベル製品の製造や販売を手掛ける寺岡精工は、従業員3300人が利用するコミュニケーションインフラを見直し、ネットワーク高速化のためにアプリケーションデリバリコントローラ(ADC)を導入した。製品を提供したA10ネットワークスが4月8日、発表した。
寺岡精工では、全国40カ所以上の拠点やグループ企業との連携を強め、先進的なサービスを開発するために従業員約3300人が利用するコミュニケーションインフラの見直しを進めてきた。
その中で、コミュニケーションツールとして用いている「IBM Notes/Domino」のバージョンアップとウェブアプリケーション化を実施。同時に、さまざまなアプリケーションが混在する複雑なネットワークインフラのパフォーマンス向上と、将来的なシステム増強にも耐えられるネットワークインフラ基盤を構築する。これまで一部の利用にとどまっていた負荷分散機能を統合し、新たにADCの導入を決定したという。
採用したのは、A10の次世代ADC「Thunder 1030S ADC」。
主な選定理由は以下の通り。
- 急な仕様変更や追加の需要に応えられるパフォーマンスと柔軟性の高さ
- 多くの機能を備え、かつその全てをオールインワンで使用できるライセンス体系
- ネットワークエンジニアも使い易い、業界標準のコマンドラインインターフェイス
選定に際して寺岡精工では、導入後の仕様変更や自由な活用に応えられる高い柔軟性とパフォーマンスを求めていた。Thunder 1030S ADCについて、パフォーマンスと柔軟性に加え、機能の豊富さとともに追加コストが発生しないコストパフォーマンスの高さも評価したとのこと。さらに、ネットワークエンジニアになじみ深い業界標準のコマンド体系を採用している点も決め手になった。
寺岡精工では導入決定から2カ月でThunder 1030S ADCの本稼働を開始、バージョンアップしたIBM Notes/DominoやActive Directory フェデレーション サービス(ADFS)、一部のメールサービスで利用しているSMTPサーバ、外部からの安全なアクセスを可能にするSSL-VPN装置の負荷軽減を実現している。
アプリケーション高速化には、本製品のHTTP圧縮やTCP/IP最適化、SSL処理オフロードなど各種機能が活用され、特にHTTP圧縮機能は、HTMLやJavaScriptのアプリケーションのレスポンスを約10分の1まで改善したとのこと。
寺岡精工では今後、SSL対応ウェブサイトの暗号化通信を可視化して検査するためのSSLインサイト機能の活用や、ディザスターリカバリとして、有事の際に外部に公開していない回線に切り替えてサービスを維持するGSLB(Global Server Load Balancing:広域負荷分散)の実装など、ADCの活用範囲を拡げる。
また、事業強化を進めている海外拠点において、コミュニケーションツールとして導入を開始した「Microsoft Office 365」の高速化も検討している。