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不確実な未来に備え子供にプログラミング教育を--MITメディアラボのレズニック氏

羽野 三千世

2015-04-11 07:00

 4月1日、東京都江東区の日本科学未来館で開催された新しい“学び”の在り方を考えるイベント「未来の学び × Creative Learning」(主催:ベネッセホールディングス)に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのミッチェル・レズニック教授が登壇した。

 レズニック氏が主導するMITメディアラボのLife Long kindergartenグループでは、“幼稚園で行われるような創造的な体験を生涯にわたって体験し得ること”をテーマに、子供向けのプログラミング環境である「Scratch」を開発し、無償提供している。Scratchは、コードを書くことなく、条件を指定する「ブロック」を組み合わせるだけでアニメーションやゲームを作成できるものだ。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのミッチェル・レズニック教授
米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのミッチェル・レズニック教授

 初めに、レズニック氏は、Scratch開発に込めた思いを次のように述べた。

 「今、社会の変化が速く、将来の不確実性が増している。未来はどうなるか分からない。未来を生きる子供たちは、予測していなかった状況に置かれても、創造的かつ体系的に思考し、仲間と協同して問題を解決する能力を身に付けることが重要だ。若い人たちがプログラミングを通して、クリエイティブで体系的な思考を育み、仲間とコラボレーションする力を培ってほしいという思いでScratchを開発した」

 同氏らの研究グループがテーマとしている“幼稚園で行われるような創造的な体験”とは「積み木でタワーを作ったり、クレヨンで絵を描いたり、仲間と共同で何かを作る活動」だ。

 幼稚園におけるこのような活動には、クリエイティブな思考を育むための“4つのP”、「Projects」「Peers」「Passion」「Play」が含まれていると考える。

 Projectsとは、アイデアを実現するために、自らの思いで主体的に取り組む行為。Peers(仲間)は、仲間と一緒に共同作業する活動のことだ。「考える行為と言えば、ロダンの『考える人』のように1人で思考するイメージがあるが、私は、最良の思考は、仲間といるときに行われると考える」。

クリエイティブな思考を育むための“4つのP”、「Projects」「Peers」「Passion」「Play」
クリエイティブな思考を育むための“4つのP”、「Projects」「Peers」「Passion」「Play」

 Passionについて、レズニック氏は次のように説明した。「興味のあるものに取り組んでいるときに情熱が生まれる。情熱を持って熱中しているとき、思考が育まれる」。また、Play(遊び)については、「ただ楽しむことではない」と補足した。「Playとは、遊び心を持って、新しいことに試行錯誤で取り組むこと。それから、色々なことにリスクを恐れずに挑戦する姿勢のことだ」。

 幼稚園にある4つのPは、小学校に入学すると途端に失われ、子供たちは椅子に座って先生の授業を聞くだけになってしまう。レズニック氏は、「今、子供たちには、未来に備えてクリエイティブな思考の育成が必要だ。学校現場でこの4つのPを実践することは簡単ではない。しかしながら、今、教育における2つのトレンドが、クリエイティブな学習環境の実現を後押ししている」と説明した。

 2つのトレンドとは、「Making(モノを作るムーブメント)」と「Coding(プログラミング教育)」だ。

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