Hewlett-Packard(HP)がパブリッククラウドサービスから撤退すると発表したかのようなThe New York Times(NYT)の報道から数日後の米国時間4月13日、同社はこの報道を否定し、OpenStackをベースとした「HP Helion」ブランドのパブリッククラウド製品を提供し続けると発表した。
HPのHelion製品管理担当シニアバイスプレジデントBill Hilf氏はブログへの投稿で「メディアが私の発言の一部を引用し、HPはパブリッククラウドから撤退すると理解したが、それは正しくない」と述べた。より明確な説明を求められた同社の広報担当者は「Billの発言によってHPはパブリッククラウドから撤退すると解釈されたが、それは正しくない。HPのクラウド戦略に取り組む姿勢は、1年近く前のHP Helionの提供開始以来、変わっていない」と簡潔に回答した。
Hilf氏はこのほど、パブリッククラウド市場からの撤退を否定した。
提供:HP
今回の方向転換は、 NYTの報道から6日後に行われた。この報道ではHilf氏が「われわれは、人々がコンピューティングのレンタルや購入に際して、われわれの製品を選択するだろうと考えていた。しかし、他社と同じ次元で対抗するのは理にかなっていないと分かった」と述べたとされている。
NYTはこの発言について、このニュースを報じた他のあらゆるメディアと同様、HPがAmazon、Google、Microsoft、Rackspaceなど大手パブリッククラウド企業ともはや競い合うつもりがないという意味だと捉えていた。
Hilf氏は13日、「HPは、OpenStackベースとしては最大規模のパブリッククラウドを運営している」と述べたうえで、それがなくなることはないと明言した。また同氏は「『HP Helion Public Cloud』によって、テクノロジの大規模な開発やテストをしたり、知的財産(IP)をオープンソースコミュニティーに還元したり、顧客に役立つように専門性を生かすという、他社製品にない能力を手にできるようになる。われわれのパブリッククラウドサービスは、顧客のクラウドやハイブリッドクラウド戦略を構成するコンポーネントとしても使用されている」とも述べた。
「もちろん、開発部門やIT運用部門はさまざまなサービスや選択肢を求めるようになってきており、そうした要求はしばしばコストやリソースの面からきている。企業は、われわれのパブリッククラウドに加えて、しばしば『Amazon Web Services』(AWS)や『Google Cloud』『Microsoft Azure』、Alibabaのクラウドといった製品を組み合わせている。われわれは、さまざまなパブリッククラウド環境や関連サービスをサポート、統合する能力が、企業のハイブリッド配備戦略にとって必要不可欠なものになると確信している」(Hilf氏)
「われわれは現在、企業内部のサービスプロバイダーのためのハイブリッドな配備をサポートできるようなポートフォリオを作り上げているところだ。こういったポートフォリオには、パブリッククラウドだけを手がけるプロバイダーや、通信プロバイダー、各地のマネージドサービス企業に至るまでのさまざまなパブリッククラウド関連のプロバイダーと連携する能力も含まれている。われわれはパブリッククラウドだけを手がけているわけではない。また、われわれは戦略を変更しているわけでもない」(Hilf氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。