「データ分析の力を現場の手元に」、日本IBMが業種特化iOSアプリを披露 - 6/6

羽野三千世 (編集部)

2015-04-15 09:48

 日本IBMは4月14日、業種特化型のiOSアプリケーション群「IBM MobileFirst for iOS」に関する説明会を開催した。同アプリ群は、2014年7月に発表されたIBMとAppleの業務提携により、2社で共同開発したもの。航空、銀行、保険、小売り、行政、現場作業などの業種に特化したビジネスアプリケーションを、iOSのみを対象に構築している。

 日本IBM 取締役専務執行役員 グローバル・ビジネス・サービス事業本部長のCameron Art氏は、同アプリ群について、「企業のバックエンドとフロントエンドを統合し、ビッグデータ分析の力をビジネスの手元にもたらすシステムである」と説明した。

 例えば、警察官向けアプリ「Incident Aware」は、事故・事件現場に向かう警察官に対して、現場付近の監視カメラの映像や、現場に向かっている他のパトカーの情報、過去の事件記録の分析に基づいたリスクレベルなどの情報を提供する。「警察のバックオフィスでは把握できているこれらのデータは、現場に急行している警察官にこそ必要な情報だ。同アプリにより、フロントエンドで情報がほしい人に、バックエンドシステムから情報を届けることができる」(同社 グローバル・ビジネス・サービス事業本部 モバイル事業統括部 本部長の藤森慶太氏)

 また、銀行業務のうち小規模事業者への融資に特化したアプリ「Advise & Grow」では、バックエンドシステムにある顧客情報、地域内の競合情報をiPhone、iPad上で可視化する。さらに、顧客やその競合の各種データを基にした予測分析を実施し、銀行にとって安全な融資限度額を算出する。

 同アプリ群で、企業のバックエンドシステムからデータを収集、マージ、分析する仕組みは、オンプレミスで構築できるほか、同社のPaaS「IBM Bluemix」上で実行することも可能だ。同社では、同アプリ群と、Bluemix上のデータ収集・分析サービスや、iOS端末へのアプリの配信やインストール制限などを行うモバイル管理基盤「MaaS360」をセットにして販売していく考えだ。

 Appleとの提携により、同社はiOS端末の販売権も手にした。「業務アプリの開発から、iOSのアップデート対応の維持管理、端末そのものの販売まで、企業向けモバイルソリューションをエンドツーエンドで提供できるのは当社だけだ」(藤森氏)

警察官向けアプリ「Incident Aware」、事件現場付近の監視カメラの映像を表示

警察官向けアプリ「Incident Aware」、事件現場付近の監視カメラの映像を表示

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