実践ビッグデータ

データ分析プロジェクト失敗回避のために--「前処理」実践法 - (page 2)

小副川 健(富士通) 2015年04月22日 07時00分

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 この形のデータは、内容によって2種類に大別できる。一つは顧客の登録情報などの静的なデータで、もう一つは日々の取引の記録のような動的なデータである。本稿では前者を「マスタデータ」、後者を「トランザクションデータ」と呼ぶ。

 例えば銀行のデータであれば、顧客の口座の登録情報や支店情報がマスタデータ、入出金や送金の記録がトランザクションデータになる。

 テーブル形式のデータの各フィールドには数値、時刻、カテゴリ値、文字列など、さまざまな値が入っている。カテゴリ値とは、性別、血液型や商品分類などの分類のことであるが、JANコードやIDなども、筆者のチームではカテゴリ値として扱っている。


 テーブル形式のデータに対してよく掛けるのが抽出、結合、集計、ピボットの4つである。抽出は、テーブル形式のデータから列や行を取り出す処理のことである。分析対象のデータを絞ったり、データを細かい集団に分けたりするときなど、頻繁に使う。


 結合は、複数のテーブルを、ある属性をキーとして結びつける処理のことである。銀行の例を続けるならば、いつ、誰が(顧客ID)、どこで(支店ID)、いくら入出金をしたか、というデータに対して、支店IDをキーにして支店情報マスタを紐づけるような処理が結合である。


 集計は、カテゴリ値や期間ごとに、数値属性の合計や平均、分散、最大、最小、頻度などを求めることである。例えば「日付ごと、都道府県ごとの入金金額の合計」のように、複数の項目を束ねて集計する処理が多い。


 ピボットは、縦積みの形式(慣例としてロング形式と呼んでいる)と横並び形式(ワイド形式と呼んでいる)の相互変換のことである。例えば日付ごと都道府県ごとの入金金額を、各日付を列とし、各都道府県の入金金額を横一行に並べたデータへ変換することである。ロング形式は蓄積に適しているので、基幹システムの中にあるほとんどのトランザクションデータはロング形式になっている。一方で、機械学習など、分析に掛ける際にはワイド形式の方が、都合がよい場合がほとんどである。このため、頻度はそれほど高くなくとも、必ずと言っていいほど行う操作である。


 他にもいろいろな処理があるが、この4種類は特に頻繁に使うので、データベースやファイルなど、どのようなデータソースからでもできるように、複数の手段を用意しておくとよい。

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