データベース利用の幅を広げるPostgreSQLの存在感 - (page 2)

大西高弘 (NO BUDGET) 怒賀新也 (編集部)

2015-04-24 06:15

これからのデータベース市場を方向性と求められる機能

 今、データベース市場には変化の波が起きている。それは、NoSQL、インメモリといった技術から発生した。企業ユーザーも早くからこうした技術に注目している。

 「NoSQLについては、この技術で構築されたデータベースがエンタープライズシステムでの中心的な位置を占めることはないと思う。というのも、NoSQLは簡単にアプリケーションを作れるというメリットはあるものの、各データベースがサイロ化してしまうという欠点があるからだ。これについてはGartnerなどのアナリストも指摘しており、エンタープライズシステムの中では、データのインテグレーションができていなければシステム全体の価値がなくなる」とAlsheimer氏は厳しい指摘をする。

 一方で、同氏は現在のデータベース事情について次のように話す。

 「NoSQLやインメモリといった技術をリレーショナルデータベースに取り入れる流れがあることも忘れてはならないでしょう。つまりデータベース市場は『どちらの陣営か』といったことではなく、どの製品が、どれだけエンタープライズユーザーに対してメリットをもたらす機能を提供できるかが決め手になる。そうした意味で、GISのバックエンド部分を担う『PostGIS』や外部データベースへのアクセス手段を提供する『Foreign Data Wrapper』など、画期的な技術を迅速に追加しているPostgreSQLは、企業システムを支える製品として優れていると言えます」

 確かに、“ビッグスリー”製品は今後も大きな存在感を市場で示していくと思われる。しかし例えば企業システムがオンプレミスパブリッククラウドプライベートクラウドといった複数のプラットフォームを利用して稼働していく以上、データベースの選択肢としてPostgreSQLが一層注目されていくことは間違いない。

 その中で、PostgreSQLの性能をエンタープライズ向けに最大化する技術をいち早く開発してきたEnterpriseDBは、見逃せない存在になると言えそうだ。

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