これからのデータベース市場を方向性と求められる機能
今、データベース市場には変化の波が起きている。それは、NoSQL、インメモリといった技術から発生した。企業ユーザーも早くからこうした技術に注目している。
「NoSQLについては、この技術で構築されたデータベースがエンタープライズシステムでの中心的な位置を占めることはないと思う。というのも、NoSQLは簡単にアプリケーションを作れるというメリットはあるものの、各データベースがサイロ化してしまうという欠点があるからだ。これについてはGartnerなどのアナリストも指摘しており、エンタープライズシステムの中では、データのインテグレーションができていなければシステム全体の価値がなくなる」とAlsheimer氏は厳しい指摘をする。
一方で、同氏は現在のデータベース事情について次のように話す。
「NoSQLやインメモリといった技術をリレーショナルデータベースに取り入れる流れがあることも忘れてはならないでしょう。つまりデータベース市場は『どちらの陣営か』といったことではなく、どの製品が、どれだけエンタープライズユーザーに対してメリットをもたらす機能を提供できるかが決め手になる。そうした意味で、GISのバックエンド部分を担う『PostGIS』や外部データベースへのアクセス手段を提供する『Foreign Data Wrapper』など、画期的な技術を迅速に追加しているPostgreSQLは、企業システムを支える製品として優れていると言えます」
確かに、“ビッグスリー”製品は今後も大きな存在感を市場で示していくと思われる。しかし例えば企業システムがオンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドといった複数のプラットフォームを利用して稼働していく以上、データベースの選択肢としてPostgreSQLが一層注目されていくことは間違いない。
その中で、PostgreSQLの性能をエンタープライズ向けに最大化する技術をいち早く開発してきたEnterpriseDBは、見逃せない存在になると言えそうだ。