英国の通信大手BTは現地時間4月20日、走行中の自動車がハッカーや悪意を持った人物から攻撃されないようにするための新たなエシカルハッキングサービス「BT Assure Ethical Hacking for Vehicles」を開始した。コネクテッド・ビークルのサイバーセキュリティに対する脅威をテストし、市場関係者のセキュリティソリューション開発を支援する。
今日では、かつてないほど多くの自動車がカーナビやラジオをはじめとする車載機能で3Gや4G、Wi-Fiといった接続機能を利用するようになっている。しかしBTによると、こういった接続機能が悪用され、ドライバーに、場合によっては周囲の車や歩行者に危害が与えられる恐れもあるという。悪用例としては、自動車の基本機能にアクセスしたり、ドライバーの車内習慣を入手して営利目的に使用するほか、自動車を遠隔地から乗っ取るといったことすら考えられると同社は警告している。
ホワイトハッカーとセキュリティ専門家で構成されたBTのチームは、このような事件が発生する前に、さらには自動車の生産ラインが稼働する前に攻撃を抑止したいと考えている。
BTのバイスプレジデントを務めるHubertus von Roenne氏は、電気自動車が、細工の施された充電ステーションに接続してマルウェアに感染した事例に言及し、メーカー各社は全く新しい次元のリスクに直面している、と述べた。
自動車をめぐる脅威は進化し続けているため、BTは自社のチームを自動車業界にも拡大している、と同氏は付け加えた。
米CNETの姉妹サイトであるCBS Newsの60 Minutesでは2015年、最も堅牢な軍用車両でも数分でハッキングが可能なことを示した。
その報道を受け、Ed Markey米上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)は、「これは、安全とプライバシーに関するさまざまな問題を提起する。なぜなら、自動車に押し入るのにもはやバールは必要ないからだ。今では、『iPad』があれば実行可能だ」と述べている。
提供:CNET/CBS Interactive
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。