「データセンターは電気代がすべて」
今回、設計を手掛けたのは富士電機と青い森クラウドベースの2社。両社は雪氷による冷却について、特許出願中という。経産省から委託を受けて、データセンターの構想に一部かかわったというNCRIの津田邦和氏は、グリーンデータセンターの研究をする中で「今回採用した冷却の仕組みは研究の集大成だ」と語る。
サーバの単位あたりの処理能力増加や高密度化などが進むにつれて、データセンター運営において電気料金の占める割合がどんどん増えてきており、「データセンターは電気代がすべてと言っても過言ではない」と話す。
PUE1.2の試算
富士電機と青い森クラウドベースは、青森県内で25カ所の候補地を評価したとのこと。主な理由は、雷が少ないこと、台風の主な経路から外れていること、海抜が52mあり津波のリスクが少ないこと、六ケ所村の地盤がしっかりしていることなどが決め手になったとしている。
年間の落雷の発生は首都圏が6000に対して1500以下。2014年から30年間に、震度6以上の地震が起きる確率が、首都圏の26~100%に対して、六ケ所村は3~6%と低く、地盤の安定性が見込まれている。
ただ、地盤について2014年3月28日、原子力規制委員会が審査会合において、六ケ所村北東の活断層「出戸西方断層」の南端について、六ケ所村で使用済み核燃料のサイクル事業を手掛ける日本原燃に調査を促した。これを受け、日本原燃はトレンチ(試掘溝)を採掘したほか、追加のボーリング調査を実施、原子力規制委員会に中間報告した。