モスフードサービスは、システム老朽化に伴うさまざまな課題を解消し、グループ全体の予算管理や会計業務の効率化、グループ共通の勘定科目体系、業務手順の統一による決算早期化の実現、さらに今後の国際財務報告基準(IFRS)対応などのため、グループ共通会計システムを刷新、2014年11月に本番稼働した。導入を手掛けた新日鉄住金ソリューションズとSCSKが4月23日に発表した。
今回の新たな共通会計システムとして採用されたのは、SCSKのERP「ProActive E2」。新日鉄住金ソリューションズとSCSKは、モスフードサービスが掲げるグループ共通会計システム構築の目的を実現するため、以下のポイントでProActive E2を採用し、システムの開発、導入を提案した。
- グループ各社の予算管理/会計業務を単一パッケージでシステム構築することによる業務効率化の追求(人為的なミス削減、システム運用負荷削減など)
- 経営情報を迅速かつ効率的に把握する仕組みを確立(セグメントや付帯情報などの多様な切り口による分析、発生源伝票へのドリルダウン機能活用による確認作業の負荷軽減と迅速化)
- 豊富なパッケージ標準機能の活用とIFRSを含む各種法改正への迅速な対応による、環境変化に強い柔軟な予算/会計システムの実現
- グループ共通会計システムの豊富な導入実績で培ったノウハウに基づいた高品質なシステム構築によるスケジュール通りの本番稼働の実現
この提案に対しモスでは、以下のポイントを評価して採用を決定した。
- 豊富な標準機能と標準機能をベースとした小規模な追加開発により、業務要件を満たすことが期待でき、初期投資およびランニングコスト両面でTCO低減を実現できるシステムであること
- システムへの重複入力低減や、マスタデータメンテナンスにおける省力化が期待でき、業務の効率向上に寄与するシステムであること
- 標準機能においてIFRS対応が予定されており、将来の法制度改正に対して迅速かつ経済的に対応できるシステムであること
- グループ会社向け共通システムの導入実績が豊富であること
ProActive E2の導入後4カ月を経た時点で確認されている効果は以下の通り。
- グループ各社の勘定科目、業務手順の統一による決算業務の効率向上を実現
- 会計予実対比のリアルタイム把握など、システムの自動化による大幅な業務効率向上を実現
- 予実対比のリアルタイム把握など、システムの自動化による大幅な業務効率向上を実現
モスフードサービス 経理グループリーダーの丸尾氏は、以下のようにコメントしている。
「J-SOXへの対応や、当初は2015年に適用される予定だったIFRSに向けた準備を進める中で、内部統制レベルを高い水準で維持したまま業務の効率化と決算早期化を実現する必要があると考えていました。ProActive E2によるグループ共通会計システム構築の提案は、モス本社とグループ各社に対して、予算管理や会計業務だけでなく、システム運用も含めた業務効率化が期待される。加えて、標準機能をうまく活用してコストを抑える工夫があった点、将来におけるIFRSへの対応を含めた制度変更対応が容易となる点などを評価し採用に至りました。新しい予算、会計システムがモスグループ全体の新規事業展開や海外事業展開を加速するための重要なシステム基盤になると考えています」