TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に、大統領や首相、宗教指導者や人気歌手といった予想通りの人々として、Barack Obama大統領(米国)やVladimir Putin大統領(ロシア)、Angela Merkel首相(ドイツ)、習近平総書記(中国)のほか数人が選ばれた。流行を生み出している人々としては、歌手のKanye Westさんや女優のKim Kardashianさん、歌手のTaylor Swiftさん、Bjorkさん、女優のEmma Watsonさんなどが選ばれている。

TIMEの4月27日付合併号に掲載されたリストに、テクノロジ業界の人々はそれほど多く選ばれていないが、何人かは予想できるかもしれない。Bill Gates氏が慈善活動の功績で選ばれているのではないか。Larry Page氏とSergey Brin氏が、Googleでの仕事で選ばれているだろう。FacebookのMark Zuckerberg氏はどうだろうか。Appleを経営するTim Cook氏は選ばれているのだろうか。答えはそれぞれ、ノー、ノー、ノー、ノー、イエスだ。
Tim Cook氏はTIMEの100人に選ばれたが、テクノロジ業界から他に選出された中には、多少驚くような人もいる。MicrosoftのSatya Nadella氏や、LinkedInを設立したReid Hoffman氏、YouTubeを運営するSusan Wojcicki氏、中国の携帯電話メーカーXiaomi(小米科技)の設立者のLei Jun氏などだ。
Tim Cook氏は、「この世界で企業がなし得ることについて、新たな基準を打ち立てた」とされている。TIMEは次のように書いている。「Timは、個人のプライバシーを守る権利を確固として支持しており、平等やLGBT(編集部注:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の権利を尊重しているだけでなく、発言や行動を通じて、変化を提唱している。再生エネルギーにも取り組んでおり、それによって、今後生まれる世代のために少しばかりクリーンで緑の多い地球を残そうとしている」
この「クリーンな」という部分に、レアメタルの採取や、中国の工場での製造プロセス、あるいは、修理の難しい製品が最終的に大量に廃棄されていることは入らないのかもしれない。とはいえ、そうした批判は、Appleだけに向けられているわけではない。
当然、同じリストを毎年発表することはできない。あまり知られていない人を選ぶことは、先入観に挑むことになる一方で、人々をより多くの読者に紹介することになる。もしかしたら、Susan Wojcicki氏やSatya Nadella氏、Lei Jun氏はそのカテゴリに入るのかもしれない。この3名はテクノロジ通の人々や、その製品を購入したり、使用したりしている人々の間では知られているかもしれないが、TIME誌の平均的な読者には知られていないのではないか。
Susan Wojcicki氏の功績は、YouTubeを「これまで以上にユビキタスなものにし、極めて低予算の簡単な動画でも果てしないリソースを使った動画でも、同じように見られるエクスペリエンスにした」とされている(最初からそうだった気もするが)。Googleはかつて、Wojcicki氏のガレージで運営されていたことがあるし、同氏はこの会社で素晴らしい仕事をしてきたが、例えばSheryl Sandberg氏や、Marissa Mayer氏よりも影響力があるだろうか。その影響力は、Mark Zuckerberg氏やEdward Snowden氏を上回るだろうか。