今後の同会の活動について田中氏は、「今年はまず、5~10年後の日本のIT産業、IT企業はどうあるべきか、もしくはどうなるべきかを、30社を超える会員企業の皆さんと大いに議論し、その後、そのためにどうすればよいかと内容を深めていきたい。
そうした活動を通じて、ぜひとも日本のIT産業、IT企業を元気にしたい」と語った。この“志”の高い活動の輪が広がっていくことを大いに期待したい。
「今後、ストレージはオールフラッシュが主流になっていく」 (米Pure Storage Scott Dietzen CEO)
米Pure StorageのScott Dietzen CEO
オールフラッシュストレージ・ベンダーのピュア・ストレージ・ジャパンが先ごろ、米Pure StorageのScott Dietzen CEOが来日したのを機に、事業戦略について記者説明会を開いた。 Dietzen氏の冒頭の発言はその会見で、今後のストレージ市場でのオールフラッシュ製品の優位性を強調したものである。
オールフラッシュストレージは、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリを全面採用したことにより、設置スペースや消費電力を低減しながら、ハードディスクベースのストレージよりも大幅に高速な処理を行えるようにしたのが特徴だ。
クラウドやビッグデータの活用が広がりつつある中で、今後非常に有望なストレージ製品として注目されている。ただ、価格が高いことが、これまで普及の大きな障壁になっていた。
そこでPure Storageは、オールフラッシュストレージの管理ソフトウェアに、独自のインライン重複排除や圧縮機能を搭載することで、容量単価をハードディスクベースのストレージ並みに抑えた製品群を提供。そのコストパフォーマンスの高さが今、世界中で注目を集めている。
ただ、オールフラッシュストレージについては、ストレージ最大手のEMCをはじめ、IBM、Dellなども注力しており、今後、激戦市場になる可能性が高い。そうした中で、Dietzen氏は「当社の技術はEMCよりも18カ月先行している」と強い自信を示してみせた。
Pure Storageは2009年設立のベンチャー企業だが、「ITベンダーとしてはどこよりも急成長を遂げている」とDietzen氏。直近の会計年度(2015年1月期)の売上高も前年度に比べて4倍伸びたという。
日本法人の設立は2013年2月。3年目に入ったばかりだが、山田秀樹社長によると「米国本社と同様の成長率で推移している。当初は会社や製品の説明に奔走したが、最近では認知度も上がってきて、お客様の適用業種や用途が着実に広がってきている」と手応えを感じている様子。販売パートナーも7社になり、最近では「Oracle Database」で豊富な実績を持つ新日鉄住金ソリューションズも加わった。
果たして、ベンチャーとして今後も競合大手と渡り合って行けるか。Dietzen氏にそう率直に聞いたところ、「ストレージ市場はこれからオールフラッシュ時代が来る。そこで当社を買収したいと目論んでいる大手がいるかもしれないが、われわれは今後も独立独歩を貫いて、お客様に当社ならではのソリューションを提供していく」と力を込めた答えが返ってきた。
その心意気や良し。大いに注目しておきたい。