今後の5年間が勝負
フィンランドがデータセンターでのイニシアティブを発揮するうえで必要となる最後のパーツは、イノベーションにまつわるものだ。同国は最新の政府プログラムの一環として、スキルのエコシステムを作り出そうとしている。その目的は、データセンターのサプライチェーンに関連するすべての要素、すなわち設計や構築から運用、管理に至るまでを網羅することにある。現在はまだ初期段階だが、このような先進的な連携によって、今後台頭してくるであろうデータセンター業界により大きく寄与するとともに、ビッグデータや効率的なエネルギー使用技術といった、関連分野におけるイノベーションを生み出す道を開けるようになるはずだ。
新たに設立されたフィンランド国立データセンターおよびデジタルビジネスクラスターであるDIGITICE Finlandのビジネス開発マネージャーTimo Kemppainen氏は「大規模データセンタープロジェクトのための業界はまだ生まれたばかりだ(中略)海外からの声に耳を傾けると、フィンランドには多くの専門的要素がそろっているものの、若干の分断化が見られるという」と語るとともに、「この業界に身を置くプレーヤーが力を合わせて作業できるエコシステムを作り出すことが、潜在顧客のニーズに応えるうえで重要となる」と語っている。
これらの計画がすべて実現すると、その相乗効果はかなりのものになるが、同国は迅速に立ち回る必要性も理解している。Nissila氏は「データセンターをフィンランドに誘致するのは今だ」と述べ、「データセンターの多くは今後5年以内に建設されるだろうが、そうなると容量的なニーズのほとんどは満足されてしまうはずだ」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。