IBMは12カ月の売上高のランレートを77億ドル以上と主張しているが、注意すべきことが1つある。IBMが発表するクラウド関連の大きな数字には、サービスから各種機器、マネージドサービスまで、ありとあらゆるものが含まれる。今の世界はハイブリッドクラウドの傾向があるので、IBMの発表した77億ドルという数字が理にかなっている可能性もある。しかし、筆者はIBMが「アズ・ア・サービスの売上高」と呼ぶ数字に注目することにした。現在、そのランレートは38億ドルだ。このアズ・ア・サービスの数字には、SaaSのほか、PaaSとIaaSも含まれる。
Googleのエンタープライズクラウドの売上高は謎だ。Googleには、「Google for Work」だけでなく、「Google Play」や「Nexus」デバイス、「Chromecast」のようなガジェットも含む「その他」という売上高区分がある。Googleのその他の売上高は2014年通年が69億4000万ドル、2015年第1四半期が17億5000万ドルだった。第1四半期のその他の売上高は前年同期から23%増加した。その他の売上高区分のクラウドに関する部分は、Google for Workが大半を占めている可能性が高い。
Salesforce.comは幸いにも、クラウドに関する数字が明確だ。なぜなら、同社は創設当初からアズ・ア・サービス企業だったからだ。Salesforceの2015会計年度(2015年1月31日締め)通年におけるサブスクリプションとサポートの売上高は50億ドルだった。その金額はすべてクラウドによってもたらされた可能性もある。総売上高には、サブスクリプションとサポートのほか、プロフェッショナルサービスの売上高3億5980万ドルも含まれる。
Oracleが3月に発表した2015会計年度第3四半期決算では、SaaSとPaaS、IaaSを合わせた売上高が5億2700万ドルを記録した。今後成長がないと仮定して、その金額を通年に換算すると、Oracleのクラウド関連の年間売上高は20億ドルを突破する。Oracleは通常、ソフトウェアとクラウドサブスクリプションを合わせて1つの項目として扱っている。
SAPも同様のクラウドとソフトウェアのラインアップを揃えているが、第1四半期のクラウドサブスクリプションとサポートの売上高は5億300万ユーロだった。SAPの第1四半期のクラウドサブスクリプションとサポートの売上高を通年に換算すると、年間売上高は20億ユーロ強になる(本稿執筆現在の為替レートでドルに換算すると、21億6000万ドル)。
ランレートが20億ドル以下の区分には、APIを通じて巨大な存在になる可能性を秘めた比較的小規模な企業が多数存在する。例えば、Workdayの2016会計年度(2016年1月30日締め)の売上高は11億4000万ドルになる見通しだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。