ブラウザにおけるJavaの終焉
こうした変化がもたらす最も広範な影響は、ブラウザにおけるJavaの終焉だろう。Javaは、さまざまなセキュリティ脆弱性に悩まされてきたこともあって、ここ数年間のブラウザとの関係は波乱含みだった。その結果、IEは旧バージョンのJavaを即座にブロックし、Firefoxと「Safari」はJavaのバージョンに関係なく、アプレットを実行する前にユーザーにプロンプトを提示するようになった。
この問題に対するOracleの解決策は、これまでより頻繁に「Java Runtime Engine」向けアップデートをリリースすることだ。この変更は、広い範囲で批判を招いている。なぜなら、Javaのインストーラはデフォルトで「Ask Toolbar」をバンドルするように設定されており、Ask Toolbarがインストールされると、Oracleはコミッションを受け取るからだ。セキュリティアップデートを頻繁にリリースして、Javaの複数のセキュリティ脆弱性に対処することで、Oracleはより高額なコミッションを得ることができる。ユーザーがチェックボックスのチェックを外すのをうっかり忘れて、即座にアンインストールしたいと思った場合に、Ask ToolbarのインストーラはJavaのインストールから10分後に実行される。Oracleは3月、「OS X」版のJava Runtime Engineにも同ツールバーをバンドルしている。
今もJavaアプレットを使っているのは?
Electronic ArtsのPogo.comなど、人気の高いゲーミングサイトの多くは、Javaアプレットとして設計されたゲームを提供している。米航空宇宙局(NASA)などが提供する教材や、数学を教えるためのさまざまなリソースは、Javaアプレットとして提供されている。
しかし、最も重要なのは、どれくらいの範囲で企業のイントラネット内でJavaアプレットが使用されているのかということである。イントラネット内に展開されたテクノロジに関して統計データを収集するのは困難なので、そうしたシステム内で実際にJavaがどの程度使われているのかは不明だ。
ほかに何がこの変化の影響を受けるのか
理論上、MicrosoftのSilverlightを使用するウェブサイトも、NPAPIとActiveXの非推奨化の影響を受ける。Microsoft.comのSilverlightに関するページには、Netflixが同ツールを使って動画を配信していると書かれているが、Netflixは既にSilverlightからHTML5に乗り換えている。正式な発表は行われていないが、MicrosoftはSilverlightを推奨してはいないようだ。2011年9月、Microsoftの前Rich Platforms担当プロダクトマネージャーは、USTREAMに投稿されたやや強い調子の動画の中で、Silverlightは終わりを迎えたと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。