「SaaS(Software-as-a-Service)やビッグデータ、クラウド、モノのインターネット(IoT)といったテクノロジは、それを商業上の利益に転化できない限り単なる流行語でしかない」と述べるBehenna氏は、「業務がどのようにして利益を生み出しているか、そしてそれが自社の業務や市場のより広範な商業的コンテキストにどのように当てはまるのかをしっかりと理解しない限り、その方法は分からないはずだ」と述べた。
同氏は、CIOが深い業務知識を得ることで、企業のエコシステムや、ITリーダーの統制範囲を超えた、近年増えつつあるさまざまなものごとを理解するために必要な位置付けと力が得られると述べている。また、エコシステム全体を理解すれば、CIOは企業の資産を強化、保護するサイバーセキュリティ対策を生み出す能力も大きく伸ばせる。
Behenna氏は「そのテクノロジが何なのかという話ではない。正直なところ、そのようなものは誰も気にかけていない。重要なのは、そのテクノロジが実際に会社に何をもたらしてくれるのかだ」と述べ、「CIOとして人を正しく率い、成長していくには、業務に対する本質的かつ深い理解と、そのエッセンスを統合するとともに商業上の成功をもたらす多くの機能的要素が必要だ」と述べた。
Consult 360の元CIOであり主席コンサルタントでもあるStephan Hand氏も、Behenna氏と同様に業務経験の重要性について強調している。同氏は、CIOとして成功する道筋は1つではないものの、CIOが常に自身の専門性を活用して自社に対して価値をもたらすITプロフェッショナルであり続けるという点を特に強調している。
Hand氏は「IT関連の幅広い経験は必須だが、それだけで十分というわけではない」と述べ、「重要なのは、業務知識と、CIOが最も効率的に価値を生み出せる方法を認識できるような関係を作り出すことだ。これにはITとは無関係な役割を担うことが絶対必要というわけではないが、わたしはそれがどんどん有効になっていくと考えている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。