Actifioはコンピューティング、ネットワークに続き、ストレージの仮想化に取り組み、製品やサービスを提供している。日本法人は2011年に設立され、富士通やニフティなどすでに多くの顧客を獲得しているという。Actifioの特徴や戦略などを、米本社のプレジデント、Jim Sullivan氏に聞いた。
--Actifioは、どのような企業か。
米Actifio プレジデント Jim Sullivan氏
Actifioは、ストレージ業界で実績があるメンバーが集まり、2009年に創業した企業です。ビジネスを取り巻く環境が変化する中、インフラ面ではクラウドが普及し、コモディティ化が進んでいます。アプリケーションをより戦略的に導入する企業が増えてきた一方、その中間にあるエンタープライズデータの管理は十分に効率化されていない状況です。これをコモディティ化するのか、あるいは仮想化するのかが世界共通の課題になっています。
アプリケーションとデータストレージという組み合わせは以前から一般的ですが、それがアプリケーションごとにストレージを持つようになり、さらにそのバックアップや災害対策などのシステムを組むと、サイロ化が進行していきます。また、開発やテスト環境、コンプライアンス、アナリティクスのために、同じデータを、異なる複数のソフトウェアやストレージで使用するケースが増えています。結果、余分な冗長性やコストを生んでおり結果、システムが冗長化したり、無駄なコストを発生させたりしており、ビジネスにかけるべき時間が圧迫されています。
Actifioはエンタープライズデータ活用のコモディティ化を進めるという立ち位置で、コンピューティング、ネットワークと進んでいる仮想化の流れとともにストレージの仮想化を推進しています。これにより、仮想化されたデータセンターの中に、コンピューティング、ネットワーク、データがそろうことになります。
--具体的なサービスは。
コピーデータの仮想化です。多くの場合、データセンターでは、アプリケーションのデータをコピーする「コピーデータ」を作成します。このコピーデータを仮想化することで、管理を効率化するのです。大きく分けて「取込」「管理」「活用」のステージがあり、これらをソフトウェアもしくは、アプライアンスなどのハードウェア上で利用します。
取込では、アプリケーションごとにデータのキャプチャリングを行います。管理では、取り込んだソースのデータコピーをとって、これをゴールデンコピーというひとつのイメージに落とします。活用では、直感的なユーザーインタフェースを利用し、サービス品質契約(SLA)を確認しながら顧客がアプリケーションを使うためのデータの仮想イメージを提供します。
これによりビジネスとデータにおける3つの大きな課題である「障害からの回復力」「ニーズへの迅速な対応」「クラウド移行の容易性」に取り組んでいます。
回復力の点では、“インスタントマウント”という技術によって、取得しているコピーをすぐにマウントすることができます。
ニーズへの迅速な対応とは、例えば、アプリケーション開発の期間を加速化できることを指します。従来型の開発プロセスでは、新たな開発ためにストレージを用意するまでに2~4週間かかっていました。それをActifioは自動プロビジョニングによって数分で用意できます。これは、いわゆる開発者と運用担当者が緊密に連携する開発手法「DevOps」に有効です。
クラウド移行とは、ユーザーはコピーしたデータをどういったクラウドの環境に移行するかを選択できる機能です。たとえばデータセンターからプライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、またはAmazon Web Services(AWS)などのパブリッククラウド、さらにはSaaSなどから選ぶことができます。