グーグルが公開したNoSQLデータベース「Cloud Bigtable」--主要製品を支える技術とは - (page 2)

Toby Wolpe (ZDNet UK) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-05-11 06:45

 「Hadoopエコシステムにいるユーザーの多くは、たとえそのエキスパートであってもHBaseは難しいと言っている。Bigtableには、独自のHBaseやCassandraのクラスタを稼働させることよりも多くのメリットがある」(O'Connor氏)

 「顧客には数ペタバイトのデータがあり、データベースから1秒に10万回も読み書きを行っており、そのデータの種類もさまざまで、ウェブデータもあれば、センサのデータもあるという企業もある。こういった企業のインスタンスやデータベースを管理するのは非常に難しい」(同氏)

 Googleが、Cloud Bigtableが役立つことを想定している2つ目の領域は、モノのインターネットや広告、エネルギー、金融サービス、通信といった分野での新プロジェクトだ。

 価格は、Bigtableの1ノードごとに65セント。この1ノードはパフォーマンス設定の単位だ。それぞれのノードは、1秒あたり最大1万回の読み書きができる。または、個別の読み書きをしない場合には、スキャンのスループットは毎秒約10Mバイトだ。

 ストレージは使用分を支払う方式で、SSDベースのストレージは1カ月1Gバイトあたり17セント。近いうちに、ハードディスクストレージを使った、1カ月1Gバイトあたり2.6セントという低価格のプランも登場する予定である。これは、「Google Cloud Platform」のオブジェクトストレージと同じ価格だ。

 「このサービスでは、ホットな高パフォーマンスのデータベースを、遅くて古い、BLOBベースのストレージと同じ価格でストレージ階層で稼働できるのだから、素晴らしいことである」(O'Connor氏)

 データは、オフラインのディスクベースのサービスを通じて、あるいはオンラインでの転送によって、新しいサービスへと移行できる。この場合、データはオブジェクトストアへと移され、そこからBigtableクラスタへと移動する。

 O'Connor氏は、Cloud BigtableにHBase APIがあることで、Googleのサービスに固定されてしまうことを懸念するかもしれない企業を安心させるのに役立つとしている。

 「Cloud Bigtableは、標準的なHBaseのオープンソースAPIを通じて提供され、同時に標準的なフォーマットでインポートとエクスポートを容易にできるサービスを提供するので、ユーザーは、『ではこれを購入しよう。気に入らないところが見つかったら、データを取り出して、以前それを稼働させていたのと全く同じシステムに簡単に移せるのだから』と、気軽に考えられるようになっている」(同氏)

 「多くのユーザーは、その点が、自分たちがペタバイト規模のデータをこのサービスに投入しようとしている主な理由の1つだと述べている。そうした安心があるからだ。彼らは、このインターフェースにオープンソースの性質があることに満足している」(同氏)

 セキュリティを確保するため、Googleは転送中データと保存データのすべてについて、ストレージレプリケーションと暗号化を提供する。

 Googleは、金融データプラットフォームのSungard、監視のPythian、リアルタイム地理空間分析のコミュニティ・カレッジ・オブ・ロードアイランド(CCRi)、データ収集のTelit Wireless Solutionsなど、複数のパートナーと協力して、企業によるCloud Bigtableでのアプリケーション構築を支援している。

 ベータ版はまずGoogleのcentral US、Europe、APACリージョンで公開され、その後、他のリージョンでも提供される予定だ。

 O'Connor氏は、「われわれは今後、長期間にわたって複数のベータ版をリリースしていく予定だ。多種多様なストレージ、さまざまな機能実行管理、レプリケーション、監視、アラートなど、HBaseに搭載されていて、われわれも継続したいと考えているBigtableの内蔵機能は山ほどある」と述べた。

 「一般向けリリースは2015年中の予定だ。しかし、一般向けにリリースされた後も、これは極めて貴重なことだというGoogleの考えに変わりはないし、一般向けリリースの前にこれらの機能が止まることはないだろう」(同氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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