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裁定買い残3.5兆円は長期的には必ずしも売りポイントではない - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2015-05-08 10:43

なぜ、裁定買い残=短期勝負で買い建てられている先物残高となるか

 ここから先は、専門的な話となるので、関心のある方だけご覧ください。

 裁定買い残が増えるプロセスを、解説すると以下の通りだ。

  1. 日経平均先物を短期勝負で買う人が増えると、先物が現物価格より割高に買われる場面が増える。
  2. 証券会社など裁定業者が、割高な日経平均先物を売って、割安な日経平均採用銘柄をバスケットで買う。これが「裁定買い」と言われる取引だ。日経平均先物を売り建てると同時に、日経平均採用銘柄を買うので、裁定業者は、相場が上昇下降するリスクをいっさい負っていない。割高な先物と、割安な現物をセットで買って、利ざやを獲得することを狙っているだけだ。
  3. 裁定業者は、裁定買いで買い付けた株式現物の金額を、取引所に報告する。日本取引所グループは裁定業者から報告された裁定買い残高を集計して、公表する。

 したがって、理論的には、日経平均先物の短期買い建て残高は、裁定買い残高とほぼ等しくなる。

 次に、裁定買い残高が減少するプロセスを解説しよう。

  1. 短期勝負で日経平均を買い建てている人が、先物を売り埋め(先物を売って買い建てを解消すること)し始めると、先物が現物価格より割安に売られる場面が増える。
  2. 証券会社など裁定業者が、割安な日経平均先物を買って、割安な日経平均採用銘柄をバスケットで売る。これが「裁定解消売り」と言われる取引だ。この取引によって裁定業者が保有する裁定買い残は減少する。この取引によって、裁定業者は、利ざやを確定することができる。
  3. 裁定業者が取引所に報告する裁定買い残高が減少する。取引所が集計して公表する裁定買い残高も減少する。

 したがって、理論的には、日経平均先物の短期買い建て残高の減少分だけ、裁定買い残が減少することになる。

<補足説明>

 先物の売買目的には、投機買い・ヘッジ買い・投機売り・ヘッジ売りの4種類がある。先物の総売り建て残高と総買い建て残高は、常に一致する。したがって、

(投機買い残高)+(ヘッジ買い残高)=(投機売り残高)+(ヘッジ売り残高)

 投機買い残高とヘッジ売り残高が大きく、ヘッジ買い残高と投機売り残高が小さいのが普通だ。投機買い残高がどこまで膨らんでいるかを知る手掛かりが、裁定買い残高であるわけだ。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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