しのびよるネットバンキング被害

二経路認証とリアルタイム検知--金融取引を守る新技術を見る - (page 5)

相原敬雄

2015-05-19 07:00

 現在、インターネットバンキングはPCから利用されるのが一般的であるが、今後はより多くのユーザーがモバイルでアクセスすることが増え、モバイル環境でも安全でより簡単に利用できることが期待されている。

 つまりハードウェアトークンなどはモバイル環境との連携も前提となり、ベンダーはモバイル環境への対応を考慮しなければならない。

金融機関はますますインターネットに依存する

 今後とも金融機関との取引は店頭からインターネットへと移行し、インターネットが最も重要な取引チャネルとなる中、安全性を確保することはその金融機関の将来に大きく影響する。

 攻撃者はセキュリティ対策が不十分な金融機関を狙い、不正取引を行っている。今まで日本の金融機関に対する攻撃は他国と比較すると少なかったが、この数年間で攻撃対象となり、日本だけが対策を行わずに安全性を確保できるとは考えがたい。

 幸いなことに不正対策向けのセキュリティ技術は存在し、その効果も海外の金融機関で立証済みである。

 今回の内容がセキュリティ対策を実施するための参考になったことを期待し、これで連載記事の最終回としたい。

相原敬雄(あいはら たかお)ジェムアルト株式会社 セキュリティ 部長
セールスディレクターとしてインターネットバンキング関連の製品やサービスを統括。現職以前は、法人向けのセキュリティ製品を担当し、法人向けセキュリティソ リューションのビジネス発展に貢献する。電子認証ソリューション大手企業の日本支社の立ち上げに従事した経験を持ち、大手金融機関やオンラインゲーム会社をはじめとする法人向けのワンタイムパスワードトークンなど、二要素認証製品の普及を推進。

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