コントラスト
前節の図4では要素のグループ分けも階層構造も明示されているわけだが、なにかまだぴりっとしない。 足りないのは「コントラスト」である。
コントラストの原則とは、意味に沿ったメリハリや抑揚をつけるべし、ということである。違う種類のものははっきり違いが見えるようにする、特に、要点や重要な事柄などを目立つようにすることでもある。タイトルや見出し、ラベルなどを太字にしたり大きめの字にしたり、というのは馴染み深いであろう。
他にも、下線を引く、枠を付ける、白抜き文字にするなど、さまざまなコントラストの付け方がある(図6aとb)。 複数の方法を併せて使うことで、よりコントラストを高めることができる。
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図6a:コントラストをつけ、太字にした例
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図6b:さらに枠を付けて白抜きにした例。コントラストの付け方にはいろいろなバリエーションがある
しっかりとしたコントラストは視覚的にとても強力である。「目立つ」ということは、即ち、「視線を惹きつける」 ということなので、(適切に使われていれば)見る人にとって全体の構造を把握しやすい、という効果がある。目立つところを(無意識に)追うことで、概要も把握しやすくなる。
そして、視覚的なリズムも生まれる。図7は近接の原則を適用した図2にコントラストをつけたものであるが、「整列」されていない状態でも、全体の概要や階層構造がかなり判りやすくなる。

図7:近接+コントラスト(整列なし)図2にコントラストを付けた例。「整列」がなくとも構造が判りやすくなる