江戸川区の小松川信用金庫は情報系システム基盤を仮想プライベートクラウドサービス上に構築し、2月より稼働している。クラウドサービスを提供する富士通マーケティングが5月11日、発表した。
金融機関では昨今、情報系システムにおいて、セキュリティや事業継続対策が求められている。また、営業時間の延長や金融機関を取り巻く環境の変化により、業務範囲も拡大し、システム導入や運用コスト、負荷の増大が課題となっている。
小松川信用金庫においても同様に、頻繁に発生するシステム更改のコストや人材確保を含めた運用負担が課題となっていた。また、本店がある江戸川区の平井では、ハザードマップ上の浸水氾濫地域であるという問題からも事業継続が急務となっており、さらにはセキュリティ対策の強化も必要とされていた。
そこで今回、新たな情報系システム基盤を、富士通マーケティングの仮想プライベートクラウドサービス「FUJITSU Cloud AZCLOUD IaaS Type-N」上に構築、インターネット網を利用しない閉域VPN回線「FUJITSU マネージド・インフラ・サービスAZNETWORK Managed VPN light V2」と併用することで小松川信用金庫の専用環境を実現した。
なお、富士通マーケティングでは、ハードウェアから運用サービスまでの、全てのIT基盤を月額利用サービスとして提供している。
新たな情報系システムの特徴と効果は以下の通り。
安心、安全なクラウド環境で事業継続対策強化
これまでの自金庫内でのシステム運用から、高信頼なクラウド基盤上にシステムを構築することで、専用の安心、安全なクラウド環境が実現し、事業継続対策を強化。
セキュアなネットワーク環境が実現
閉域VPN接続サービスによって小松川信用金庫とクラウド環境を接続。高セキュリティ性を確保し、安心・安全にクラウド基盤が利用できるネットワーク環境を実現。
サービス利用型運用で大幅な運用負荷軽減が実現
システム基盤の導入構築、運用サービスまでの全てをサービス利用型運用でフルアウトソーシングすることで、これまでのハードウェアのセキュリティ対応やソフトウェアのバージョンアップ対応など、金庫内におけるシステム運用の作業負荷から解放された。
また、情報系システム基盤がこれまでの所有型から利用型へと変わり、今後の機器の老朽化による入れ替えやシステム更改のコストや作業負荷がなくなったことで、システムの運用負荷が大幅に軽減される。
小松川信用金庫では今後、営業の効率化を目的とした顧客データ管理システムのクラウド化など、これまで手作業で実施してきた業務のシステム化や勘定系システムとの連携など、さらなる業務効率化を目指していくとしている。