前編では、マイナンバー制を振り返り、その内容に情報セキュリティの観点からの留意点を挙げました。後編では今、企業が個人マイナンバーを取り扱う上での主な課題を挙げ、より実際的な運用体制や、考慮すべき管理体制を解説します。
まずは企業が個人マイナンバーを取り扱う上での課題について内閣官房のマイナンバーウェブサイトで見てみましょう。Q&A形式で語られています。
Q4-3-1 従業員などのマイナンバー(個人番号)を取得するときは、どのように本人確認を行えばよいのでしょうか。また、対面以外の方法(郵送、オンライン、電話)でマイナンバーを取得する場合はどのように本人確認を行えばよいのでしょうか。
A4-3-1 マイナンバーを取得する際は、正しい番号であることの確認(番号確認)と現に手続きを行っている者が番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)が必要であり、原則として、
のいずれかの方法で確認する必要があります。ただし、これらの方法が困難な場合は、過去に本人確認を行って作成したファイルで番号確認を行うことなども認められます。また、雇用関係にあることなどから本人に相違ないことが明らかに判断できると個人番号利用事務実施者が認めるときは身元確認を不要とすることも認められます。……また、対面だけでなく、郵送、オンライン、電話によりマイナンバーを取得する場合にも、同様に番号確認と身元確認が必要となります。詳しくは、こちらをご覧ください(2014年7月更新)。
- 個人番号カード(番号確認と身元確認)
- 通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
- 個人番号の記載された住民票の写しなど(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
Q4-3-2 代理人から本人のマイナンバー(個人番号)の提供を受ける場合は、どのように本人確認を行うのですか。
A4-3-2 代理人からマイナンバーの提供を受ける場合は、(1)代理権、(2)代理人の身元、(3)本人の番号の3つを確認する必要があります。原則として、
で確認を行いますが、これらの方法が困難な場合は、他の方法も認められます。詳しくは、こちらの表をご覧ください(2014年7月回答)。
- 代理権の確認は、法定代理人の場合は戸籍謄本など、任意代理人の場合は委任状
- 代理人の身元の確認は、代理人の個人番号カード、運転免許証など
- 本人の番号確認は、本人の個人番号カード、通知カード、マイナンバーの記載された住民票の写しなど
いかがでしょうか。想像以上に大変そうだと感じませんか。社会保障や税金などの処理はどんな小規模な事業者でも必要であり、こうした作業で従業員と扶養家族の個人マイナンバーを取り扱う必要があるのです。