SAPジャパン本社内にIBM&SAP HANA検証センターを開設。センター内にPower Systemの実機を設置し、HANAの導入支援やマイグレーション支援、各種検証、共同ソリューションの開発などを展開する。
日本IBMでは、ハイブリッドクラウド構築無償コンサルテーションを提供する。日本IBMのアーキテクトがインフラの対応状況診断やデータ活用基盤のイメージ、ロードマップの作成などを無償で支援する。
Linux on Power Systemスタートキャンペーンとして、2Uで12コア、メモリ64Gバイトを搭載できるLinux専用機である「Power System S812L」を税別価格96万円で提供する。「キャンペーン価格によって、他社のサーバ製品に比べて、コストパフォーマンスが同じで、圧倒的に信頼性が高い」とした。
日本IBM 常務執行役員 IBMシステムズ・ハードウェア事業本部長 武藤和博氏
常務執行役員でIBMシステムズ・ハードウェア事業本部長の武藤和博氏は「個人向けのモバイルデバイスが今年だけで57億台が販売されると予測され、現在、1兆台のデバイスがネットにつながっている。それによって、データが爆発する時代に入っている」と現状を解説した。
「クラウドによって『所有』とともに『使用』をうまく組み合わせて利用する世界が訪れている。モバイルとソーシャルの組み合わせによりエンゲージメントが重視されている。いわば、データ、クラウド、エンゲージメントがポイントになる。顧客から見えるのは、モバイルや顧客体験だが、運用、基幹システムとの連携、セキュリティといった見えない部分にしっかりと取り組む必要がある。そこを担うことができるのが日本IBMの強みであり、それを実現するのが今回の新製品になる」(武藤氏)
POWER9開発に3600億円を投資
新製品に搭載されているPOWER8は、約2400億円を投資して開発したプロセッサ。22ナノメートル(nm)プロセスで製造されており、362mm2のダイサイズにチップあたり6コアを搭載。コアあたり8スレッドを採用。キャッシュ容量を増加させており、1次データキャッシュ容量が64Kバイト、2次キャッシュ容量が512Kバイト、3次キャッシュ容量はソケットあたり96Mバイトとなっている。また、1秒あたり192Gバイトのメモリバンド幅を持ち、コントローラあたり最大16Mバイト×4のバッファキャッシュを持つ。同社は今後、約3600億円を投資して、次世代プロセッサである「POWER9」の開発に取り組む姿勢を明らかにしている。
朝海氏は「IBMは、2013年8月からPOWERベースの次世代テクノロジを創出するためのオープンコミュニティとして、OpenPOWER Foundationを展開しており、現在22カ国110社以上が参加している」と現状を説明した。
「早稲田大学基礎理工学部情報理工学科笠原研究所では、低消費電力、高性能マシンを実現するハードウェアとソフトウェア応用技術の研究開発を行っており、公開されているPOWER8チップ仕様を活用し、POWER8対応のコンパイラを開発し、さらなる省電力処理の実現を可能にしている。こうした取り組みによって、OpenPOWER Foundationを通じて、次世代テクノロジを迅速に創出できる」(朝海氏)