セールスフォースを買収するのはどこ?--企業文化から考察

Tom Foremski (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2015年05月18日 06時15分

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 Bloombergの報道によると、匿名企業がSalesforceに買収を持ちかけていることを受けて、Microsoftも同社の買収を検討しているという。

 筆者の見解:Salesforceの市場価値は約490億ドルだ。そのため、統合は難しいものになり、同社を飲み込むには、それを受け入れられるような大きな口が必要かもしれない。そうなると、買収を前向きに検討していると考えられる企業は数社しかない。

 筆者はSalesforceが独立したままでいることを願っている。そう考える理由は、同社がサンフランシスコ最大のテクノロジ企業であること、そして同社の最高経営責任者(CEO)兼設立者のMarc Benioff氏は寛大な性格であり、型破りなスタイルを好む人物だということだ。そうした特徴こそ、サンフランシスコという街そのものや、5世代にわたりこの街に住んでいる人をよく表わしている。

 MicrosoftがSalesforceを買収するようなことがあれば、それは文化的な観点から考えると、あまりに違和感がある。Microsoftはサンフランシスコで最大のテクノロジ企業となるわけだが、しっくりこない。Microsoftは、湿潤な米国北西部のシアトル地域と密接に結びついている。雰囲気も違えば、文化も違う。

 Microsoftは、サンフランシスコのテクノロジコミュニティーに文字通りそびえ立つようになるだろう。Salesforceは、サンフランシスコのビジネス街にオフィスビルを完成させようとしており、このビルは同市では最も高いビルになる。Microsoftが買収に成功すれば、サンフランシスコの地平線に「Microsoft Tower」がそびえ立つようになる。エジプト神話に登場するホルス神が持つ、全てを見通す目のように、同社はサンフランシスコのあらゆるテクノロジ企業を、その高いビルから見下ろせるようになる。見通しの良い日なら、シリコンバレーのかなりの部分も見えるだろう。

 筆者はMicrosoftに反感があるわけではないが、そうした文化的な違いから、同社がサンフランシスコで支配的な立場につくことを想像すると、落ち着かない気持ちになる。

ターゲットはBenioff氏

 筆者はOracleに賭ける。Salesforceを買収しようという企業はどこも、業界で最も優秀なソフトウェアセールスパーソンの1人とされるMarc Benioff氏を獲得したいのだ。同氏は、Larry Ellison氏の後任として最適だ。Ellison氏はOracleのCEOは辞任したが、まだ会長として活発に活動している。

 Benioff氏はEllison氏と共通点があり、Oracleの企業文化も理解している。存在感のある個性という点では、Benioff氏はEllison氏にまだ及ばないが、その個性は、MicrosoftよりもOracleにはるかにふさわしい。現在のOracleの共同CEOたちはカリスマ性に乏しく、大胆なリーダーシップを必要とする文化を持つ企業にとって、それは問題である。

重複する活動を統合

 OracleとSalesforceの2社はそれぞれ、サンフランシスコで最大のユーザーカンファレンスを互いに競うようにして開催しており、そのために中心部の道路を封鎖したり、素晴らしい音楽ショーを開催したりしている。こうした2つの巨大なカンファレンスを統合することによる節約の効果は、年間1億ドルをはるかに超える可能性がある。それは両社にとっては良いことだが、サンフランシスコ市の経済にとっては大きな痛手になるだろう。

 Salesforceの売却は、地元の慈善団体にも影響を与えると考えられる。Benioff氏とSalesforceの従業員は、慈善活動を行っていることでよく知られている。Benioff氏は小児病院に1億ドル以上を寄付している。個人的な寄付は継続するだろうが、企業としての寄付はすべて再評価と見直しの対象になるだろう。

 筆者は、謎の買収者がOracleであることに賭けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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