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今週の明言

日本ユニシスにみるSIerのクラウド事業の試行錯誤

松岡功

2015-05-15 13:37

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、日本ユニシスの黒川茂 代表取締役社長と、シスコシステムズのErwin Matti 執行役員の発言を紹介する。


日本ユニシス 代表取締役社長 黒川茂氏

「クラウド事業は想定したほどに伸びていないが、悲観的には見ていない」
(日本ユニシス 黒川茂 代表取締役社長)

 日本ユニシスが先ごろ、2014年度(2015年3月期)連結決算について記者説明会を開いた。黒川氏の冒頭の発言は、その会見の中で、クラウド事業の現状について語ったものである。

 2014年度連結決算については、売上高が前年度比4.8%減の2691億円、営業利益が同14.1%増の109億円、経常利益が同25.9%増の123億円、純利益が同14.9%増の72億円となった。製品販売の減少などによって減収だったものの、各種サービスの利益改善などにより増益となった。

 2015年度(2016年3月期)については、売上高で前年度比4.0%増の2800億円、営業利益で同14.4%増の125億円、経常利益で同3.0%減の120億円、純利益で同85億円を見込んでいる。

 同社は早くからクラウド事業に着目し、パブリッククラウドやプライベートクラウドを合わせて複数のクラウドサービス利用を支援する「クラウドフェデレーションサービス」に注力している。

 具体的には、同社が運営する個別の顧客企業向けサービス基盤である「U-Cloud」と、代表的なパブリッククラウドサービスである「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」、さらに顧客企業のオンプレミス環境をハイブリッドで利用できる仕組みを統合運用管理することで、ワンストップサービスとして提供している。その意味では、大手システムインテグレータ(SIer)が展開するクラウド事業の典型的なスタイルともいえる。

 だが、黒川氏にクラウド事業の現状について聞いてみると、冒頭の発言にあるように「想定したほどに伸びていない」と言う。ちなみに、2015年度のクラウド事業の売上高は、アウトソーシング事業(386億円)のうち1割強の40億円程度とみられる。同氏はこの売上規模がもの足りないことを示唆しているようだ。

 とはいえ、同氏が「悲観的には見ていない」と語ったのは、「お客様のニーズは自社のICTシステムを最適化することで、必ずしもクラウドだけが最適解でない。当社の使命は、さまざまなお客様のニーズに柔軟に対応し、ICTシステムの最適化を支援することにある。その実現手段の1つとしてクラウドフェデレーションサービスを位置付けており、今後も着実に需要はあると見ている」からだ。

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