田中克己「2020年のIT企業」

SIビジネスが変わる--人と機械の役割を分担せよ

田中克己 2015年05月18日 07時00分

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 SIビジネスが変わる――これまでのSIは、ユーザーが何を作るかを決めてから、IT企業がそれに従ってシステム開発を進めていたが、これからのSIは「リアルな世界とデジタルの仮想世界を結ぶ付けるものになる」と、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)で技術などを担当してきた執行役員、南悦郎氏は予想する。

 人とモノと仮想世界のインターフェイスにAI(人工知能)などが使われる。クラウドや自然言語などの技術も活用されるだろう。

NSSOLのターゲット

 そんな中で、NSSOLはどんなビジネスを展開するのだろう。将来を示す事例がある。2014年夏から始めた複数の現場で取り組んでいるAR(拡張現実)活用の実証実験だ。スマートグラスを使って、作業効率の向上、業務品質の確保、作業者の安全確保、遠隔地からの作業指示、人材育成などを実現するもの。


 例えば、経験豊かな人が遠隔地から現場の作業者に指示することで技術を伝承する。どんな効果や成果があったのか、データを集めているところ。その先には、ITによる価値創造の領域がある。だが、ITを活用して、価値を生み出せたのかを容易には証明できない。

 目的を実現するために必要なIT費用がどの程度かかるのかも分からない。なので、ユーザーに「まずは小さくスタートしましょう」と提案する。それを継続していく中で、効果を上げた実績を作り、その情報を公表する。

 加えて、情報交換や決済、といったいろいろなサービスを利用するビジネス基盤を構築する。自社開発のサービスもあるし、SCM(サプライチェーン管理)をはじめとする標準的な業種や業務サービスもある。これらを使ってシステム作りを推進し、「当社に頼めば、こんなことをしてくる」という信頼を獲得していく。これもビジネス基盤になる。

 ビジネス基盤には、もう1つの面がある。目的に沿ったソリューションを使うために、パブリッククラウド、プライベートクラウド、それにオンプレミスを組み合わせたハイブリッド環境にすること。例えば、AWSとNSSOLのクラウドサービス、オンプレミスを使い分ける。

 「ユーザーのニーズは多様化しているが、それに応えてスクラッチでゼロから作るのは無駄なこと。時間もコストもかってしまう」(南氏)。なので、ハイブリッド環境の中で、自社や他社のサービスを組み合わせてシステムを構築していくことになる。

 そこでは、「使いこなせるサービスをどれだけ持っているか、という引き出しの多さが勝負になる」(南氏)。

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