Googleのように
Googleが自社のセールスポイントをいつ明確化するのだろうと考えていた人たちにとって、これは歓迎すべきニュースと言える。
詰まるところ、この業界で最も優れたビッグデータテクノロジのいくつかは、Googleに触発されて生み出されたものだ。「Apache Hadoop」(これは「MapReduce」と「Google File System」(GFS)の論文に触発されている)しかり、「Apache Mesos」(これはGoogleの「Borg」にヒントを得ている)しかりだ。しかし、Googleはこういったものから直接利益を得ようとはしなかった。
その代わりGoogleは、性能面で自社の違いを際立たせようとしていた。Cloudscalingの幹部であるRandy Bias氏は、Googleのネットワーク能力が重要な差別化要因だと見抜き、「潤沢な帯域幅があれば、巨大な仮想マシン(VM)イメージ(100Gバイト超)をネットワーク間で移送するのも無謀な話ではなくなる」と述べている。
しかし、それだけで十分というわけではない。
Ward氏が別のインタビューで述べているように、Googleは大規模なクラウドインフラを構築し、安価に提供するという戦略も採ってきている。しかしこれもAWSやMicrosoft Azureに対抗するための確固たる足がかりとしては十分でない。
ただGoogle Cloud Bigtableは、どこにでもある機能を破格値で提供するというだけのサービスではないため、この状況が変わる可能性もある。今回Googleは、市場にひと味違ったものをもたらそうとしている。つまりGoogleは開発者に同社のようになる道を与えようとしているのだ。
確かにGoogleは、以下の図が示しているように、低価格路線を続けている。

同価格帯のサービスと比較するとパフォーマンスが2倍という利点は確かに素晴らしいが、開発者をGoogle Cloudに向かわせるうえでの決め手にはならないだろう。
本当の決め手は、使い慣れたApache HBaseのAPIを利用できる点にあり、これによってGoogle Cloud Bigtableの使用方法に関する知識と、Google秘伝の奥義を使えるという約束を組み合わせることで、開発者の世界が広がるのだ。