編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事集:「負荷分散」
攻める情シス

「攻めの協業」で現場と情シスが共通のゴールを目指すには

田村浩二

2015-06-10 06:00

 前回は、業務部門が事業の価値向上のためにパッケージやSaaSを積極的に採用し始めていること、その効果を最大化するため、データ活用により競争力を生み出すための業務部門と情報システム部門の新たな役割分担や協業が必要であること、その成否の鍵となるのは「攻めの協業」「攻めのデータ活用」「攻めの組織」であることを述べた。今回は、攻めの協業について紐解く。

「顧客の個人情報」にみる情シスと業務部門の攻防

 私がここでいう攻めの協業とは、情シス部門と業務部門が「売り上げ」と「利益」両方の拡大に向けて、より密接に協業することである。

 当たり前のことのように聞こえるかもしれないが、そもそも事業の成長をミッションとする業務部門と、予算を預かってITを運用する情シスでは、そもそも立ち位置が違う。

 その違いを超えて企業価値を最大化するには、という視点で協業するということだ。具体的には、情シスが従来の守備範囲を超えて、業務部門や経営全体に対してコミュニケーションを図り、各種の技術要件が情シスへ要望や要求として個別バラバラに落ちてくる(あるいは降りかかってくる)前に、検討フェーズからそのプロセスに関与して、テクノロジ採用の効果を最大化することだ。

 クラウドやパッケージアプリケーションなどのコモディティ化したテクノロジを採用して競争力を向上させるためには、データの活用が肝要であることは第1回目でも言及した。

 ここで、ECによく見られるケースを用いて、「守りの情シス」と「攻めの業務部門」の間で今何が起きているかを見てみよう。

 ECを扱う企業において挫折が多いのは、「顧客の個人情報の活用」に絡む領域である。成熟したダイレクトマーケティングのプロセスを回している企業であれば、サイト訪問者を「どの世帯に属する誰なのか」「その世帯構成はどうなっているか」という「顧客」として捉えようとする。

 しかし当然ながら、ウェブ分析のアプリケーションを標準的な形で導入しただけでは、一人ひとりの訪問者を顧客として識別することはできない。

 ウェブ分析アプリケーション側に、自社の顧客マスタも世帯マスタも存在しないからだ。そこで、利用者である業務部門は、「ウェブ分析アプリケーションをカスタマイズしよう」と考え、大抵の場合、ログインIDでの識別など個人識別可能なデータがいらない領域でのカスタマイズから着手する。

 そして、ウェブビーコンの製品ならばJavaScriptタグをカスタマイズをし、自社サイトのHTMLソースコードやモバイルアプリのSDKに組み込み、データをどんどん収集し……と、基幹システムから遠いクラウドの彼方にデータを蓄積し続けていく。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    Google Cloudセキュリティ基盤ガイド、設計から運用までのポイントを網羅

  2. セキュリティ

    仮想化・自動化を活用して次世代データセンターを構築したJR東日本情報システム

  3. ビジネスアプリケーション

    スモールスタート思考で業務を改善! 「社内DX」推進のためのキホンを知る

  4. セキュリティ

    Emotetへの感染を導く攻撃メールが多数報告!侵入を前提に対応するEDRの導入が有力な解決策に

  5. セキュリティ

    偽装ウイルスを見抜けず水際対策の重要性を痛感!竹中工務店が実施した2万台のPCを守る方法とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]