Microsoft Researchの「Project Trinity」に関する報道を最後に目にしたのはかなり前のことだ。Project Trinityは、グラフデータベースとそのコンピューティングエンジンを開発するプロジェクトだ。
しかし先週、Trinityは「Graph Engine」という新しい名称でパブリックプレビュー版がリリースされた。Trinityの利用は、今回のパブリックプレビュー版のリリースまで、Microsoft社内に限定されていた。
Graph Engineはインメモリかつ分散型の大規模グラフ処理エンジンだ。これはデータモデリングやメッセージパッシングのための統合された宣言型言語を提供する汎用目的のコンピューティングエンジンとなっている。また、ユーザー定義プログラミングインターフェースとRESTfulインターフェースを通じて、その他のシステムスタックと統合することもできる。
Microsoft Researchの同プロジェクトに関するウェブページには「Trinity(Graph Engine)は、大規模グラフ上のオンラインクエリ処理やオフラインでのグラフ解析をサポートする。オンラインクエリ処理では、メモリをベースにしたストレージインフラが提供する高速なグラフ探索能力を活用できる。そしてオフラインでのグラフ解析では、スケールアウト可能な分散アーキテクチャが提供する並列処理能力を活用できる」と説明されている。
Microsoft Researchの別のページ(2013年公開)には、Trinityのファイルシステムは「『Windows』上の『HDFS』クローン」だと記されていた。HDFSとは「Hadoop Distributed File System」のことだ。興味深いことに、Microsoftは2011年にビッグデータフレームワークである「Apache Hadoop」の代替となる同社の技術「Dryad」の製品化に向けた取り組みを中止し、Apache HadoopのWindows版や「Microsoft Azure」版を提供するためにHortonWorksと提携する道を選択している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。