ノークリサーチは5月18日、2015年の中堅・中小企業におけるスマートデバイス関連の投資規模と今後の投資意向に関する調査分析の結果を発表した。中堅・中小スマートデバイス関連市場の成長率は1.80%で、全体市場成長率の1.24%を上回った。
上のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業におけるスマートデバイス関連の投資規模を算出したもの。中堅・中小企業全体のIT投資規模成長率1.24%に対し、スマートデバイス関連市場規模の2014年~2019年の平均成長率は1.80%と上回っており、スマートデバイスは中堅・中小企業においても最も関心の高い分野の1つと言える。
なお、このスマートデバイス関連の市場規模は、ユーザー企業が社内外で利用するスマートフォンやタブレットの購入費(OSを含む)や保守費、関連するアプリケーションの開発元、販売元に支払う開発導入費、保守費の合計費用を指す。スマートフォンやタブレットを管理するための投資(BYOD対策やMDMなど)は含まず、それらは「運用管理系システム」の分野に含める。
ただし、スマートデバイスからアプリケーションを利用する際、既存アプリケーション側に改変の必要が生じたり、新たにアプリケーションを開発する必要が生じた場合の費用はスマートデバイスに対する投資に含む。
売上増につなげられるかが鍵
スマートデバイス関連IT投資を、「スマートフォン端末」「タブレット端末」「スマートデバイス既存システム改変(スマートデバイスの利用に際して既存の業務システムを改変)」「スマートデバイス新規システム構築(スマートデバイスの利用に際して新規に業務システムを構築)」の4項目別にみると、それぞれの年平均成長率は下のグラフの通り。
端末関連に比べて「スマートデバイス既存システム改変」「スマートデバイス新規システム構築」といったシステム関連項目の値が、やや低くなっていることが分かる。
中堅、中小企業においてはスマートデバイス活用に対して、「ノートPCやフィーチャーフォンの単なる代替ではなく、売上増につながる取り組み」を期待する傾向が強く、しばしばバックエンドのシステム構築や改変も必要となる。
スマートデバイス市場を活性化させるためには、ユーザー企業と販社やシステムインテグレーター(SIer)が協力しながら、売上増につながるスマートデバイス活用シナリオ(=システムの構築・改変を伴うソリューション提案)を模索していくことが重要と考えられる。