「現在、Intelは14件のODMと、48以上のデザインを抱えている。昨年は30件のODMと350種類のデザインを行い、50カ国に出荷した。昨年の数字は、タブレットだけのものだ」と同氏は述べている。
Intelは、4月に中国南部の都市深センで開催されたIntel Developer Forum 2015で、同社は「Intel Atom x3」と「Z3700」のターンキープログラムを足がかりにする計画であり、これを拡大してAtom x5プロセッサを含め、顧客がIntelベースのタブレットを市場に出すための経費と時間を節約できるようにする予定だと発表した。

Intel Atom x3(開発コード名:「SoFIA」)
提供:Intel
このプログラムは、パートナー企業に、差別化されたアプリケーション、ソフトウェア、品質および認証のサポート、ソフトウェアツール、コンポーネントカタログを伴う、カスタマイズ可能なリファレンス設計を提供するものだ。
「1年前には、当社がARMに対抗できる性能やバッテリ寿命を提供できると考えるものはいなかったが、その議論は今ではなくなった」と同氏は言う。
「昨年は、当社が性能とバッテリ寿命の問題を解決できることを証明する年だった。そして今年は、SoFiAでコスト的に競争力の高い製品を作れることを証明し、その問題でOEMパートナーと議論する必要をなくすことを目指している」(Skaugen氏)
Intelはハイエンドデバイスのための高性能プロセッサブランドとして名を成したが、Skaugen氏はこの低コストモバイル市場への取り組みは十分に元を取れると確信している。
「安価だからと言って、必ずしも収益性が低いわけではない。ムーアの法則によって、われわれは非常に低コストのプロセッサを製造しながら、株主に対して十分な配当を提供できる」とSkaugen氏は言う。「安い価格で、多くのプロセッサを販売することができる」
実際、Intelは、ウェアラブル市場をターゲットとするボタンサイズのコンピューティングモジュール「Curie」、切手サイズの開発プラットフォーム「Edison」、統合SoC「Quark」、USBメモリサイズの小型PC「Compute Stick」などの製品で、超小型コンピューティングの分野に組織的な攻勢をかけている。これも、同社が小型デバイス市場に力を入れていることの証拠だ。

ボタンサイズのコンピューティングモジュール「Curie」の試作品
提供:Intel
Skaugen氏は、Intelがそれらの小さなデバイスに詰め込んだテクノロジの多くは、同社がモバイル市場だけでなく、台頭しつつあるIoT業界でも、重要なプレーヤーになることを可能にすると話す。
同氏によれば、Intelは実際すでに、POS機器、キオスク、周辺機器などの小型デバイス市場で優れた業績を上げている。
「モノのインターネット事業は、Intelのもっとも成長が早い分野の1つだ」と同氏は述べている。
ただし、Intelはモバイル市場でのポジションをさらに改善するため、ブランドの扱いをよりオープンにし、同社のロゴをスマートフォンやその他のモバイルデバイスに表示することを許可する方向に向かっていると同氏は付け加えた。
「現在ではIntelのロゴは、PCだけでなく、安全性、技術、性能を表している。われわれはスマートフォンの背面にIntel Insideロゴを付けることを許可しているが、われわれの顧客の多くは、スマートフォンやタブレットの背面にこのロゴがあることで、高級感を得ていると話している」と同氏は言う。