ここでの大きな疑問は、Alibabaが中国のAWSで満足していられるかどうかだ。同社が発展途上国に進出したり、米国の市場で成長したりする可能性はあるのだろうか?
その可能性はあるだろう。Forrester Researchの調査レポートは、パブリッククラウド競争の行く末も予想している。同レポートは、クラウド分野におけるHewlett-Packard(HP)の計画に主眼を置いたものであり、プライベートクラウドベンダーは企業の興味を引きつけておくために、パブリッククラウド関連の機能を提供する必要に迫られるだろうと指摘している。
Forresterのこのレポートで筆者が興味を引かれたのは、Alibabaに関する見解だ。Forresterは以下のように記している。
Alibabaは、莫大な量の現金と、新規株式公開(IPO)後のとてつもない企業価値評価を背景に、この分野への参入意思を表明した。Alibabaは米国で操業する中国企業のみをターゲットにするつもりだと公言している。だが、その言葉をうのみにしてはいけない。同社の真の戦略はずっと野心的なものだ。中国を中心とした顧客ベースはおそらく、中国という巨大経済市場の成長とともに素晴らしいニッチへと成長していくはずだ。
つまり、ForresterはAlibabaが世界的なクラウドIaaS企業になる可能性を否定してはいない。米国におけるこの分野は、AWSとGoogle、Microsoft、IBMが割拠している。大規模サービスを検討しているその他の企業は別の市場に目を向けることになるはずだ。
とはいえ、米国のクラウド市場は世界で最も成熟している。Alibabaが中国でクラウドの王者になった後、他の市場、特に新興国市場に進出しないという理由はない。この戦略に見覚えがある人も多くいるはずだ。Lenovoもずいぶん前にこの戦略を用いていた。Alibabaがクラウド分野で同じ戦略を使えない理由など存在しないのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。