犯罪捜査の現場で活躍する3D走査技術とビッグデータ - (page 2)

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-05-29 06:15

 ジョージア州のワーナーロビンス警察で犯罪現場の捜査責任者を務めているJohn Lanneau氏は、米国の放送局WMAZとのインタビューで「いったん現場を離れた後でも、再び現場を訪れることができる」と語っている。Lanneau氏によると、スキャンした結果はコンピュータや「iPad」上で閲覧でき、これにより警察は見逃していた証拠がないかを確認したり、武器などの物体同士の衝突状況や距離を測定できるようになる。同氏は「クリックやドラッグを行うだけで済むのだ」と述べている。

3Dモデル化と予測解析

 今日の犯罪捜査で重要なのは、アナリティクスによる犯罪現場の評価によって導き出される予測値だ。例えば、警察官と鑑識捜査官であれば誰でも知っていることだが、犯罪現場の調査や証拠の収集作業の際、証拠品が見つかる可能性の最も高い場所は床だという。

 また、犯罪現場の3Dモデル化により、模擬シナリオでの証拠データの収集が可能となり、警察官や捜査官の訓練に役立てられる。こうした予測解析によって、犯罪現場における証拠収集のための重要な場所をピンポイントで指示できるため、捜査官をはじめとする関係者は証拠のありそうな場所に影響を与えないように注意することで、証拠の有効性に疑問を投げかられる事態を避けられる。

 Jacob Dabrowski氏は、2010年のForensic Magazine誌の記事で「最初に現場に赴いた捜査官が取得した現場の実用的な3Dモデルがあれば、法執行機関は現場の立ち入り禁止が解除になってからもその詳細を入念に吟味、分析できる」と記すとともに、「必要であれば、この情報は陪審員にも提示できる。われわれのエンジニアは、犯罪が発生した時の犯罪現場を法廷内に再現できる。これにより事件の鍵を握る詳細についての視点を関係者全員が共有できる。高解像度レーザー走査(HDLS:High Definition Laser Scanning)が現場に導入されるまでは、こういったことは手探りで行わなければならなかった」と記している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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