埼玉県さいたま県土整備事務所は、河川水位をリアルタイムに監視することで災害への迅速、正確に対応するという「河川監視システム」を導入した。富士通エフサスが5月21日に発表した。同社は今後、同システムを「観測支援システム導入・運用サービス」として商品化し、6月から提供していく予定。
これまで、さいたま県土では河川を目視で監視しており、リアルタイムな状況把握が課題となっていた。監視対象である河川付近には電力や通信回線などのインフラがないことから、システムの導入が困難でもあった。

今回導入したシステムの全体像(富士通エフサス提供)
今回導入されたシステムは、確認したい状況や情報、場所に応じて最適なセンサを組み合わせた多種多様なデータを情報を管理し、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)の仕組みでスマートデバイスなどからのリアルタイムで閲覧する。
太陽光パネルやモバイル回線を利用するため電力や通信ケーブルの敷設が不要で、インフラ条件を整備できない環境でも容易に利用できる。水位警報装置を設置し、さいたま県土監視局宛てに河川水位データや水位状況に応じた注意や現地状況確認などの情報をメールで発信、迅速に緊急体制を取れるとしている。
同システムでさいたま県土は河川の氾濫などによる災害に対し正確な情報を把握し迅速に対応できると説明。IoTの仕組みを活用することで、災害現場への移動中にもスマートデバイスなどを利用して文字や画像でリアルタイムに状況を確認でき、現場到着時に的確な判断と対応を実現できるという。

提供を予定しているサービスの概要(富士通エフサス提供)