1~3月のGDP--一時的要因で日本はかさ上げ、米国は低下 - (page 2)

ZDNet Japan Staff 2015年05月25日 10時44分

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日本の1~3月GDPは一時的要因でかさ上げ、米国の1~3月は一時的要因で低下

 1~3月の米景気には一時的な下押し要因が働いていた。寒波、港湾スト、シェールオイル掘削業者の破綻などだ。4月以降、米景気は再加速すると予想されている。4月以降の回復を前提に、2015年に2.5%程度の成長は可能と考えられる。

 一方、日本の1~3月のGDPには一時的かさ上げ要因が含まれている。それが在庫投資だ。在庫投資の影響を除くと1~3月の日本のGDP成長率は低く、評価できないという見方もある。

窪田氏が日本の1~3月GDP成長を評価する理由

 窪田氏は、1~3月の日本のGDPを見ることで日本の景気回復への確信を強めましたという。その根拠を説明しよう。

 それには、GDP成長の中身を見る必要がある。日本の1~3月の成長率は、年率ではプラス2.4%だが、非年率ではプラス0.6%【注】だ。非年率の成長率内訳を見て、窪田氏がどこを評価しているか説明する。

 【注】1~3月は1年間の約4分の1に相当する。非年率で0.6%の成長は、同じペースの成長が1年続くと仮定すると、年間では4倍の2.4%の成長となる。GDP成長率についてコメントする場合は、年率換算した数値(年率プラス2.4%成長)が使われる場合が多い。

非年率0.6%成長の内訳(項目別の寄与度)


(出所:内閣府)

(1)在庫増加の影響が大きい(+0.5%)ことはネガティブ

 この内訳を見て、1~3月の成長が「張りぼての虎」という人もいる。在庫増加が0.5%も1~3月GDPを押し上げているからだ。悪く解釈すると、「1~3月は、売れると思って生産したが、売れずに残った在庫が増加。生産が行われたのでGDPはかさ上げされたが、売れずに残っているので4月以降のGDPにマイナス影響を及ぼす」となる。

 窪田氏は、そうは思わないという。在庫増加には、意図せざる在庫の増加(売れると思ったのに売れずに残った在庫)もあるが、意図した増加(今後の売上増加を見込んだ戦略的な在庫積み増し)もある。窪田氏は、プラス0.5%の在庫増加には、後ろ向き(売れ残り)と、前向き(戦略的な積み増し)の両方があるだろうと話す。

(2)増加がGDPを押し下げ(マイナス0.4%)ているが、一時的と判断

 窪田氏は、1~3月の輸入増加が、GDPを0.4%押し下げていることに注目している。1月の輸入金額が大きく、1月の貿易赤字が巨額であったことが響いている。原油価格急落前の、高値で成約したエネルギーの輸入が続いていたためだ。

 ところが、3月には日本の貿易収支(通関ベース)は黒字に転じている。4~6月以降は、長期契約の原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格低下が続き、輸入減少が加速すると予想される。そう考えると、1~3月の輸入増加マイナス0.4%は一時的で、4~6月以降は輸入減少がGDPにプラスで寄与する可能性が高いと思われる。

 在庫増加によるプラス0.5%のGDP押し上げは一時的と考えられるが、輸入増加によるマイナス0.4%のGDP押し下げも一時的と考えられる。一時的要因を除くと、1~3月のGDPは、非年率でプラス0.5%、年率でプラス2.0%の成長であったことになり、十分に高い成長であったといえる。

(3)設備投資がプラスに転じたことはポジティブ

 円安によって、海外の工場を国内に移管する動きが出てきている。設備投資の国内回帰によって、今後、設備投資の増加に弾みがつくと予想されている。内閣府が発表した1~3月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前期比プラス6.3%で、今後の設備投資回復を示唆している。

(4)公共投資の影響がマイナス(マイナス0.1%)であったこともポジティブ

 日本の財政状態を考えると、公共投資の積み増しでGDPがプラスになっても評価できない。1~3月の成長内訳で公共投資がマイナス、民間需要がプラスであることはポジティブと評価される。

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