「Industry 4.0」と呼ばれる概念が、欧州で広がりつつある。この考え方では、モノのインターネット(IoT)が従来の製造業を変えると予想されている。
多くの人たち(特に未来学者)は、産業革命が起こり、さらに情報革命がそれに取って代わり、今は一種の「ポスト情報革命」時代が来ているという歴史の流れをよく話題にする。欧州の一部では、この考え方はIndustry 4.0と呼ばれている。
念のために書いておくが、この数字はこの数十年間に起こった情報技術の革新の波(例えばWeb 2.0)とは無関係だ。しかし、Industry 4.0がもたらすと考えられている変化は、ITと深い関係がある。
Industry 4.0はドイツ政府が提唱したもので、製造業の次のフェーズ、つまり第4次産業革命のことを指す言葉だ。この概念では、4つのフェーズは、次のように整理されている。
- Industry 1.0:水力・蒸気力
- Industry 2.0:電力
- Industry 3.0:計算力
- Industry 4.0:モノのインターネット(IoT)の力
ご想像のとおり、IoTを中心として新たな産業パラダイムを構築するということは、ITの専門家がステップアップし、新たな形で新たな成長を支えることを求められる。Industry 4.0の核を形成するのは、現在多くのテクノロジ企業が実現しようとしている技術だ。
Boston Consulting Group(BCG)が最近公表した、Industry 4.0について解説する記事では、Industry 4.0を支える9つのテクノロジ分野が示されている。これは、このデジタル時代で最先端に居続けようとするエンタープライズ市場のIT企業に求められるチェックリストとして読んでも違和感のないものだ。その9つの分野は、次の通りだ。
水平的および垂直的システム統合:Industry 4.0では、無数にあるシステムのデータとネットワーキングを大きな視点で捉えることを求められる。企業内の各部門だけでなく、バリューチェーンを横断するパートナー間の協力関係を実現するには、これが唯一の方法だ。
モノのインターネット:IoTでは、デバイスや組み込みセンサは通信を行い、リアルタイムで応答を返すようになる。
サイバーセキュリティ:何十億ものデバイスや通信チャネルが縦横に交差する環境が想定されていることを考えれば、まったく新たなフレームワークに対する信頼を構築するには、サイバーセキュリティは極めて重要だ。セキュリティプロトコルに対する取り組みは古くから続いているが、その必要性はさらに劇的に高まることになる。
提供:Joe McKendrick