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デジタルバリューシフト

デジタルで変わる都市の姿−−IoT/IoEによる都市経済のバリューシフト - (page 2)

林大介

2015-06-08 07:00

 ここで登場するのが連載第8回で言及した「本質的な問い」に始まるセンスの良いデータ活用(図2)である。そもそも、都市のスマート化はなぜ必要で、都市のどんな課題を解決する必要があるのかを突き詰めて考える必要がある。

 日本におけるスマートシティの事例で最も多いと思われるのは電力の制御で、地球環境保護や緊急時の都市機能の継続といった課題に対応するものであろう。


(図2)センス獲得のステップ

 しかし、都市とは本質的には流動性の高い小〜中規模経済圏であり、そこでの課題はいかにしてその経済を活性化させられるか、という点にあるのではないだろうか。

 デジタルテクノロジによる都市のバリューシフトはここを起点に構想を始めるべきと考える。経済が起点であれば、その恩恵を最も受けるヒトを中心に考えるべきであろう。全てがつながった都市を想定すると、ヒトは都市の中でどのような存在になるであろうか。

ヒトは最大の都市コンテンツ

 再び映画の話で恐縮だが、1998年に「トゥルーマン・ショー」という映画が公開された。離島で暮らす一人の男性の生活全てが、実は本人の知らないところで世界220カ国でエンターテインメントとして放映されているというストーリーで、この主人公の男性は言うなれば世界の人々が楽しむコンテンツであった。

 もちろんこの物語はフィクションであるのだが、昨今のデジタル化社会においてはある程度人間の行動を「デジタルコンテンツ化」することができる。もしかすると現代に暮らすわれわれもこの映画の主人公と同じ境遇なのかも知れない。

 ヒトが都市で生み出す「コンテンツ」は凄まじい量になる。色んな場所に移動し、そのさまざまな場所で消費行動を行い、その消費について世の中に発信する。

 例えば、休日に友人らと出かけて食事し、美味しそうなご馳走の写真をSNSにアップロードするというようなよくある行動パターンも、数が集まれば立派なコンテンツになり得る。年代、性別によってどんな遊びを選択するか、集まる場所はどこか、どんなお店をどんな基準で選ぶか、選んだお店の評価は……など、いくつも想像できるだろう。

 そして、どんなデータでも客観的に解釈できなければ意味をなさない。例えば、街の監視カメラの映像は、そのままではやや主観的な解釈しかできない。なぜならば、見る人によって見る場所がバラバラだからである。

 ここでデジタルテクノロジを用いて、監視カメラに映る全ての人々のあらゆる情報(推定年齢、性別、持っているもの、向かっていると思われる場所……)が高い精度で判別できるのであれば、かなり客観的なデータに変化していると言えるだろう。

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