前述の日本マイクロソフト調べでは、サポートが終了する2015年7月までに移行するとした回答が半数以上を占めるものの、サポート終了後に移行するユーザーの移行時期は、サポート終了後から2015年末までが19.7%、2016年以降が10.1%、時期未定が17.7%と分散する。
トレンドマイクロの調査では、Windows Server 2003を使っているユーザー115人の移行予定時期は、サポート終了後の2015年内が約19.2%(2つの期間の合計)、2016年が約6.1%(2つの期間の合計)、2017年以降が3.5%、移行予定がないとしたユーザーが20.9%とばらける。
日経BPコンサルティングが2014年9月に実施した調査も同様の傾向だ。Windows Server 2003を使っているユーザー417人の移行予定時期は、サポート終了後の2015年度(2016年3月期)が約15.6%(3つの期間の合計)、2016年度が6.2%、2017年度以降が12.0%と分散している。
アプリの動作検証が移行を妨げる課題の上位に
ユーザーによって移行時期が分散する理由の1つに、移行の難しさがある。予算や人材の確保が難しいという課題のほかに、ユーザーが自前で開発した業務アプリケーションの移行が難しいという課題がある。
ソフトウェアの種類によって、移行の難易度は異なる。Active Directoryやファイルサーバなどの、OSが標準で用意している機能は簡単に移行できる。しかし、ユーザーが独自に開発したアプリケーションは、移行に際してソースコードの書き換えが必要になるケースがある。
前述の日経BPコンサルティング調べでも、アプリケーションの移行がネックとなっている様子がうかがえる。「サポート終了までにリプレースが終わらない理由」として141人が挙げた項目の主なものは、「予算がない」が35.5%、「Windows Server 2003の台数が多い」が24.1%、「移行作業(アプリケーションの改修など)に手間取っている」が19.9%だ。
MM総研が2014年12月に実施した調査も同様だ。調査当時に移行を検討または進めていたユーザー793人が挙げた移行時の課題は、「予算の確保、経営層の理解」が54.7%、「社内の人手不足」が36.2%、「アプリケーションの動作検証に予想以上の工数がかかった、もしくはかかっている」が28.1%だった。
半数が移行作業に未着手も半数は棚卸しが完了
移行に当たっては、ファイルサーバなのか業務サーバなのかなど、移行対象のサーバのソフトウェア構成などを調べ、サーバごとに適切な移行方法を選ぶ必要がある。用途が違えば移行先も変わる。