3つ目の利用パターンは、「お客さまのニーズは多様で異なる」。ユーザーがやりたいことを実現するために、AWSでは多様なIT基盤プラットフォームを用意している。
既存のIT資産をAWSに移行するためのサービス群も用意されているが、「個々に異なる企業ニーズは、コモディティとして取り扱うことはできない。最大公約数のものを選ぶのではなく、きっちりその企業にあったものを提供する」ことがAWSの姿勢だ。
また、AWSは依然としてイノベーション続行中で、2014年には516の新機能とサービスを提供している。新しいサービスとして、共有ファイルシステムの課題を解決する「Amazon Elastic File System(EFS)」の提供をこの夏に始める。
EC2のためのフルマネージド型ファイルシステムで、ペタバイトクラスで伸縮できるスケーラビリティ、複数のEC2インスタンスからNFSでアクセスする。SSDを採用し、非常に高いスループットと低いレイテンシ、高い可用性と信頼性を実現する。Amazon S3と同様に、自動的に複数のアベイラビリティーゾーンにデータを複製する。現在、プレビュー申し込みを受け付けている。

また、4月からは日本語管理コンソールの提供がスタートしており、「日本のエンジニアの皆さんにとって、より使いやすい環境が提供できるようになった」という。

4つ目の利用パターンは、「企業のデータ活用はかつてないほどに拡大」。ビッグデータが脚光を浴びているが、「企業にとってデータの収集、分析、保管、共有は、かつてはとても困難なものだった」とデータの取り扱いが厳しいものだったことを指摘。AWSはビッグデータを処理するための複数のサービスを提供しており、多くの企業がAWSでビッグデータ分析を実践している。
回転寿司チェーンのスシローでは、ビッグデータを使って需要予測を行い、廃棄ロスが大幅に削減するという効果を生んでいる。
こうしたサービスのベースとなっているのがAmazonがビジネスの実践で進めてきた自然言語処理、検索などの機械学習を積み重ねてきたこと。4月から提供されている、フルマネージド型機械学習サービス「Amazon Machine Learning」も、Amazonの実践で培ったノウハウによって生まれている。

5つ目には、「古い足かせからの解放」が紹介された。従来、データベースは高価、独自仕様などの制約があったが、Amazon Auroraは商用データベースの10分の1で利用可能となる。
