求人市場はますます厳しくなってきているが、本記事ではスタッフの採用や、人材の育成、そして最高の技術プロフェッショナルを維持するためのベストプラクティスについて、5人のITリーダーが語ってくれたヒントを紹介する。
1. 要求水準を上げ、クリエイティブな環境を整備する
サイード・ビジネス・スクールの最高情報責任者(CIO)のMark Bramwell氏は、将来、テクノロジが職場内のあらゆる役割に影響を与えるようになると言う。「教育のまさにスタート段階から、読み書きや算数と一緒にデジタルスキルも教えるべきだ」(Bramwell氏)
雇用ということになれば、人材管理は、単に人々を引きつけることだけが重要なのではないと、同氏は語る。「人を採用する場合、平凡なところで妥協しないほうがよい。要求水準を上げるべきだ」(同氏)
「人を集めるのに苦労しているのなら、もっと金が必要だと会社側に言うのをためらってはならない。適切な人材が求められるのは、そうした人々が、今後10年あるいは20年にわたって自社のために働き、ゆくゆくは組織を動かすことになるかもしれないからだ」(同氏)
人材の維持に関して言えば、Bramwell氏は、CIOは優秀な人材だけに注目すべきではないと述べている。「幹部は、自分のチームの全員を育成することを考えなければならない。個人がその力を伸ばすには、責任を与えられる必要がある」(同氏)
2. イノベーションを考えさせることで関心を維持する
YodelのCIOであるAdam Gerrard氏は、優れたスタッフを見つけることは常に困難なことだと述べている。しかし同氏は、採用は問題の一部に過ぎないとも言う。CIOは、スタッフを調達すると同時に、才能あるITプロフェッショナルを維持するために努力しなければならないのであり、Gerrard氏によると、うまく維持できるかどうかは仕事の満足度と直接的な関係があるという。
「自分の部下にやりがいのある仕事を与え、彼らが価値を高め続けられるようにしよう。部下が若ければ若いほど、彼らが熱意を保てるように上司が気をつけることが重要になる。若い従業員を満足させ続けられれば、彼らがその会社で長く働く可能性は高くなる」(Gerrard氏)
Gerrard氏は、興味深いプロジェクトの開発は、新しいスタッフを引きつけるための手段にもなると述べている。最先端テクノロジの動向を追うために、Yodel社内にイノベーションラボを設立した同氏は、「社内の従業員がエキサイティングなプロジェクトに取りかかれるようにする必要がある」と述べる。
「興味の持てることが多い環境を保たなければ、自分の組織を人材流出のリスクにさらしておくことになる。イノベーションラボでは、ITによる画期的なプロジェクトの創出に関わることができる。従業員にとって、会社の競争上の優位性を保つ力になれるのは、刺激的なことだ」(Gerrard氏)
ワクワクするようなプロジェクトも、優秀なIT人材をつなぎ止める方法の1つだ。
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3. 変化はIT部門での仕事のスパイスだと考える
Gerrard氏と同様に、Tullow Oilの前CIOのAndrew Marks氏は、仕事の質がスタッフを集め、維持する鍵だと語る。「仕事が面白くなかったら、素晴らしいITプロフェッショナルを獲得することはできない」(Marks氏)
「変化は絶対に欠かせない。たいていの人は、同じことを何度も繰り返したいとは思わない。テクノロジ業界の動きは非常に速く、人々は常に時代を先取りして、自分のスキルセットの向上に役立つ変革プロジェクトに携わりたいと考えている」(同氏)