(3)一貫性のある品ぞろえ、価格、売り場の実現
実店舗でもオンラインでも、品ぞろえや価格、プロモーションを同じレベルにすること。また、売上構成比と売り場面積比を合わせる「スペースアロケーション」や陳列方法含めて、オンラインでもモバイルでも同様の感覚でストレスなく買い物が楽しめることだ。
例えば、オーストラリアの小売業「Woolworths」では、チャネル横断で統合されたロイヤルティプログラムを組んでおり、顧客は実店舗で購買しようとオンラインで購買しようと購買歴歴を統合して確認できるようになっている。それらの履歴に基づいて独自の「お気に入りリスト」を作成することもでき、顧客満足度の向上を実現している。
また商品の陳列まで一貫性があるように工夫し、オンライン上の商品陳列が、実店舗での売り場の陳列と同様になるようにしており、売場で展開しているキャンペーンもオンライン上で同様に表示されるようにしている。結果、オンラインの売り上げが63%も向上したという分析結果が出ている。
(4)配送・返品・決済での柔軟なオプションの提供
注文や決済、お届け方法、返品などについて、顧客が望む最適な方法を選択できるように、複数のオプションを提供できることだ。例えば、小売業「Marks & Spencer」では店内でBrowse & Orderといった端末を使った買い物ができるサービスが行われており、そこで選択した商品を店頭で受け取ることもその後にオンライン上で注文することもできる。
店員が持っているiPadを活用し、相談しながら買い物のオプションを選択することもできる。また、百貨店「Macy’s」やZARAなどを展開するアパレル「Inditex」のようにオンラインで購入した商品を店舗で受け取り、返品ができるサービスも実施されている。
(5)個別にカスタマイズされたプロモーション
ひとりひとりのニーズやこれまでの購買行動から、最も顧客が求めているサービスやプロモーションを個別に提供できること。また、その中で特別感を醸成し、ロイヤルティを高めていくことだ。個別カスタマイズといえば、Amazonのレコメンデーション機能も有名な一例であるが、その他にも独自の取り組みをしている企業が存在する。
米国のバイク用品店「Motorcycle Superstore」では、顧客がオンラインで商品を検索する際に使ったワードをトラックし、口語体であってもそれにマッチするように表現、ワードを修正、商品の検索性を高めるとともに、企業としてのおすすめ商品も見つけやすくしている。
またフランスの化粧品会社Sephoraでは、購買履歴を活用したレコメンデーションに加え、顧客の肌をColorIQというプログラムでスキャン、管理し、それに応じた商品をおすすめするサービスを展開している。
(6)絶えざるカイゼンの追求
新たな最新技術などを常に活用し、変化し続ける顧客に対して新たな価値を提供し続けることだ。例えば、米国のアパレル「Hointer」では、商品についているQRコード付きのタグを読み取って商品情報が把握できるようにしているだけでなく、モバイルアプリや試着室の画面から商品を選択すれば、自動で30秒以内に商品が試着室に送られてくるサービスを展開している。