第2の「C」:コンバージェンス(Convergence)
ここで筆者が述べようとしているのは、アプリケーションやストレージといったトラフィックのために、10ギガビットイーサネット、あるいはそれ以上の高速通信手段を備えたコンバージドネットワークインフラだ。
Microsoftのクラウドプラットフォームと「Microsoft Azure Stack」が、会社(あるいは会社が契約しているクラウドプロバイダー)に導入されている場合、NVGRE(Network Virtualization Generic Routing Encapsulation)という仮想ネットワーク技術を導入すれば、スイッチ機器インフラにおけるVLANの4096という物理上限を除去できるとともに、ファイバーチャネルなどのストレージのためにファブリックを分割しなくても済むようになる。
またNVGREとともに、Cisco Systemsのソフトウェア定義ネットワーク(SDN)である「Application Centric Infrastructure」(ACI)といった、他のベンダーの固有技術を導入し、コンバージドネットワークの統制をより強固なものにすることで、会社(そして会社が契約しているプロバイダー)が使用しているハイパーバイザやクラウドスタックに関係なくコストを低減できるようになる。
ACIを用いた場合、会社や会社が契約しているプロバイダーは、より近代化されたスイッチインフラ(例えばCiscoの「9000」シリーズ)への移行が必要になるが、このアップグレードによって大幅な容量増と、サービス品質の向上が期待できる。
NVGREやACIといったテクノロジの登場により、パブリッククラウドにおける「ノイジーネイバー」問題(同一ハードウェア上で稼働している他の仮想マシンの影響を受けてパフォーマンスが低下するという問題)は過去のものとなり、クラウドのサービス品質保証(SLA)は社内のデータセンターインフラで用いられていたものに近づいていくはずだ。