富士通は6月11日、ハイブリッドクラウドに最適なネットワーク環境を実現するSDN(Software Defined Networking)コントローラ「FUJITSU Network VELCOUN-X」の販売を開始した。既存の「FUJITSU Managed Infrastructure Service ネットワーク-LCMサービス」も新たにSDN対応ネットワークまで対応範囲を拡大する。
税別費用は、VELCOUN-Xが最小構成30万円から、ネットワーク-LCMサービスが個別見積もり。6月30日から提供する。販売目標は2018年3月末までにSDNビジネスで売上3000億円。
VELCOUN-XはLinuxサーバ上で動作するソフトウェア。SDNとして、プライベートクラウド基盤運用管理ソフトウェアや仮想化環境管理ソフトウェアと連携し、物理ネットワークなどの非仮想化基盤を含むシステム全体をGUIで一つの画面に可視化、サーバ配備にあわせてネットワーク接続変更を短時間で実現できるという。
VELCOUN-Xのイメージ(富士通提供)
SDN技術を活用することで、仮想化と非仮想化が混在するICT基盤でのネットワークを統合管理できるとしている。スイッチやファイアウォール、負荷分散(ロードバランサ)などのネットワーク機器を制御、管理し、企業内の物理ネットワークと仮想ネットワークの設定、追加、変更を一括で実行できると説明する。
仮想化基盤と非仮想化基盤が混在するシステム全体のネットワーク環境を見える化することで運用管理を効率化でき、クラウドとオンプレミスの迅速な接続も可能にするという。システム内のトラフィック状況や機器の稼働状況の可視化、障害や外部攻撃の検知から分析、対処までを迅速化することで設定変更にかかる時間を従来より90%削減し、業務の停滞やビジネスの存続危機などのリスクを回避するという。
専用機器が不要のため、既存ネットワークへのアドオンで簡単に利用開始できるとともに、VELCOUN-Xに障害が発生した場合でもネットワーク機器に影響を与えることなく業務を継続できるという。
VELCOUN-Xの提供にあわせて、企画、設計から運用保守に対応したネットワーク運用をワンストップサポートするトータルサービスであるネットワーク-LCMサービスの提供範囲を拡大。SDN対応ネットワークの導入から運用までのサポートを強化した新たなSDNのインテグレーションサービスを追加した。SDN対応ネットワークの導入から運用までの支援に加え、ユーザー企業にあわせて必要な個別アプリケーションなどを開発し、提供する。