海外コメンタリー

「会議室のテレビから盗聴」--IoTが企業のセキュリティにもたらす暗黒面 - (page 2)

Will Kelly (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-06-19 06:15

あなたの会社に忍び寄る、IoT機器によるセキュリティ侵害

 IoT機器を用いた史上初の企業セキュリティ侵害事件が起こるのは時間の問題となっている。

 Hay氏は「このような事件の発生こそ、IoTが重要な問題として認識されるきっかけになると考えている」と述べたうえで、「そうした事件が実際に起こるのはもはや時間の問題だ。最初の兆候として、ベビーモニター絡みの事件を挙げたい。母親だったか、子守を任された人物だったかがベビーベッドから赤ん坊を抱き上げようとした時に、ベビーモニター、つまりインターネットに接続されたカメラから知らない人の声が聞こえてきたという事件だ」と述べた。

 同氏によると「これは最初の一歩だと言っていいだろう。(企業においても)こういったことはSFの話ではなく、現実に起こり得る」という。

 Hay氏は「スマートテレビのベンダーの多くは、会社での使用など想定していない。その他ありとあらゆるIoT機器の場合も同様だ。われわれは単純なIT機器に対しても実施しているような検証すらしていない」と述べた。

 同氏は「役員会議で語られた社外秘の情報を誰かがテレビで盗み聞き、それを用いて会社の株価に大きな影響を与えるような大事件を起こすことで、この脅威に対する目覚めが促されるだろう」と述べ、「おそらく最高経営責任者(CEO)が健康上の理由で引退するか、役員が総退陣するか、会社が廃業する結果になるだろう」と続けた。

 同氏は「(脅威への目覚めを促すには)誰かがそういった情報を得て、株式市場に影響を与えるか、単にその情報を公開して多くの人々を路頭に迷わせるとともに、何十億ドルとは言わないまでも何百万ドルという損失を被らせる必要がある」と述べ、IoT機器を使用している企業で近い将来「ある種の限界点」を超える情報漏えい事件が起こるだろうと予想した。

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