「IoT(Internet of Things)など新たな分野についても同様だ。近年はBEMS(Building Energy Management System)やHEMS(Home Energy Management System)などの設備が増えていくはずで、ここでも我々の果たすべき役割は大きい」という。
インターネット上のトラフィックの何割を目指す、といった目標は今のところ掲げていないが、重要なトラフィックはAkamaiを利用する、というユーザー認知を目指している。

ライフラインとしての重要性が今後さらに増していくインターネットだが、一方でセキュリティ上の懸念も大きなものとなってきている。正当なアクセスの中には、相当な割合で分散型サービス妨害(DDoS:Distributed Denial of Service attack)などの攻撃アクセスが含まれている。しかも、それらは次第に大規模化し、手口も多様化、複雑化してきている。
同時多数のウェブアクセスを受け付けるCDNのための大規模な基盤は、同時多数のアクセスが押し寄せるDDoS攻撃に対しても効果的だ。Akamaiは約17万台ものエッジサーバを全世界に配置しており、それを用いてDDoS攻撃を顧客サーバに代わって引き受けることで攻撃を吸収し、被害を軽減させるサービスも展開している。
さらに近年では、DDoS軽減サービス事業者であるプロレクシックを買収(2014年2月に買収完了)したことにより、HTTP以外のプロトコルもカバーできるようになった。
「IPアドレスにひも付いたレーティング情報の蓄積は相当なもので、そのビッグデータを活用すべく、レピュテーションなどにも着手している。日本政府も情報セキュリティには本腰を入れ始めており、われわれもセキュリティ分野のディスカッションなど、いろいろな要請に応じている」(徳永氏)