夏といえば、またMicrosoftの組織再編の時期だ。そして、最新の同社幹部の変更が記載されたメモが発表されたのを受け、われわれMicrosoftウォッチャーは、そうした動きの理由について、ヒントを探し求めている。
お茶の葉占い師のような大勢の人々が、Microsoftが下した決定の背後にある意味を読み解こうとしているのを見かける。その決定とは、Operating Systems Group(今後はまた「Windows」と呼ばれるようになる)とDevices Groupを、エグゼクティブバイスプレジデントのTerry Myerson氏の下で統合することだ。
一部の人々は、この動きは、Microsoftが「Surface」「HoloLens」「Lumia」「Surface Hub」「Microsoft Band」「Xbox」などのファーストパーティーデバイスの製造を一部、もしかすると最終的には全て取りやめる前触れだと考えている。そして少なくとも、「Windows Phone」事業がもたついていることを考えれば、この動きは明らかに、MicrosoftがWindows Phoneのハードウェア事業から撤退しようと計画している兆候だという見方もある。
Windows and Devices Groupを統括することになったTerry Myerson氏
4月に、最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏は、Microsoftのハードウェア部門で再びコストを削減する可能性があると述べた。同氏は前回の業績発表で、「われわれは、『Windows 10』のファーストパーティーハードウェア計画を実行するにあたって、デバイス全体でコストを削減するためにさらなる行動を起こさなければならない」と予告していた。
しかし、MicrosoftがHoloLensとSurfaceに多くのリソースを投じていることを考えれば、同社がファーストパーティーハードウェアからの撤退の準備を進めているとは考えにくい。さらに、Microsoftは、Windows Phoneや小型タブレット向けのOSである「Windows 10 Mobile」についてさまざまな作業を行っていることから、MicrosoftがWindows Phoneのファーストパーティーハードウェア事業をやめること(少なくとも近いうちにやめること)についても、筆者はかなり懐疑的である。主力のWindows Phoneデバイスを製造しているOEMメーカーはあまり(あるいは全く)いないからだ。販売されているWindows Phoneの圧倒的多数は、Microsoftが製造するLumiaデバイスである。
そうではなく、Nadella氏は同氏が1年前に言ったことを守ろうとしているというのが、筆者の考えだ。つまり、Microsoftのハードウェアは、最近では補助的な役割を果たしている、ということだ。Microsoftは同社のハードウェアを、ソフトウェアやサービスを紹介する手段として使っているのである。